Social Impact Act
2016年11月19日
最終更新: 2020年10月16日
ブラジルの社会的投資について
今回は、南米のブラジルの社会的投資領域について紹介します。
実は、ブラジルの社会的投資の市場規模はと比較的大きく、算出方法や為替レートによって前後しますが、150~200億円程度(2014年時点) といわれています。
また、ブラジルでは社会的投資に参画しているプレイヤーは数多く存在しており、市場規模、投資先の業種、投資の形態や手法、投資のフェーズ、投資機関などの情報が、「MAPPING THE IMPACT INVESTING SECTOR IN BRAZIL」※1にまとめられています。
ブラジルの社会的投資は、金融アクセス、教育、ヘルスケア領域への投資がトップ3になっていることや、投資先地域がブラジルのサウスイーストに偏っている投資先地域の偏重などの特徴があります。
また、ブラジルのソーシャルインパクトボンド(SIB)については、「SIBHub Brasil」というポータルでまと纏められようとしています。
SIBHubは、Social Finance UKも設立に協力しており、ブラジルだけでなく、世界のSIBの取り組みやインパクトを調査しており、今後、改めて紹介していきたいと思います。
Vox Capital:ブラジル
ブラジルの社会的投資機関の中で、まずは、Vox Capitalを紹介します。
Vox Capitalは、2009年に設立された、ブラジルを代表する、社会的投資機関の一つです。
投資先企業の抜粋は下記となります。幅広い分野に投資を行っていますが、特に、ヘルスケア・医療領域の会社への投資が多いのが特徴的です。
・PLANO CDE:BOP層向けの、マーケットリサーチ、コンサルティング、またインパクト評価などのサービスを提供
・SAÚTIL:医療や健康に生活を送るための情報やアドバイスサービスを提供
・AVANTE:ブラジルの低所得者向けのマイクロファイナンスサービスを提供
・TAMBORO:新しいテクノロジーを活用したパーソナライズした教育サービスを提供
・TOLIFE:TRIUS®という緊急医療用サービスを提供し、ブラジル・メキシコで5000診療所で利用されている
・PRORADIS:医療用途にフォーカスしたソリューション開発会社
・MAGNAMED:ブラジルを拠点とした、人工呼吸器などを開発し、現在では、36カ国に輸出している
SITAWI:ブラジル
次に紹介するのが、ブラジルの社会的投資機関のSITAWIです。
SITAWIは、2008年に設立され、ブラジル国内での、インパクト投資や、ソーシャルインパクトボンド(SIB)を複数企画しています。
また、「SIBHub Brasil」設立にも大きく関わっている会社です。
以下が、SITAWIの投資先企業の抜粋です。
毎年レポート※2を公開しており、詳細はレポートを参照してもらいたい。
・Lar da Bênção Divina:1956年に設立されたNGO、伝統的な音楽や文化や芸術の教育を貧困層に提供
・Coperjunho:オーガニック食材を提供
・Instituto Peabiru:アマゾンの家族経営の農家やコミュニティー支援
今回は、南米ブラジルの社会的投資領域や、主要なプレイヤーを紹介しました。引き続き、世界の主要プレイヤーを紹介していきます。
参考URL
※1「MAPPING THE IMPACT INVESTING SECTOR IN BRAZIL」:LGT Venture Philanthropy、Aspen Network of Development Entrepreneurs (ANDE)、Quintessa Partners、University of St. Gallen Hub São Pauloの共同研究
https://assets.aspeninstitute.org/content/uploads/files/content/docs/pubs/ImpactInvestingStudy_FINAL_VERSION_ENGLISH.pdf
※2 「RELATÓRIO ANUAL 2015」:
http://www.sitawi.net/wp-content/uploads/2016/05/relatorio_final_8.compressed.pdf