Social Impact Act
2020年4月15日
最終更新: 2020年8月5日
昨今、企業価値の算定の文脈で、情報開示プレミアムや、ESGプレミアムという話を聞く機会が増えてきました。
これは、機関投資家を中心に、環境情報などの情報開示にプレミアムを上乗せする動向などが影響しています。
そうした情報開示だけでなく、昨今のコロナウイルスや環境問題などの、ESG領域への強靭性をいかに企業価値の算定に盛り込むか?というのはホットなテーマです。
別途、SIAの運営会社でもある、KI Strategyでは、企業のビジネスデューデリジェンスの支援は実施してきましたが、今後は、ESGに関連する領域における、広くビジネスデューデリジェンス、狭義の環境デューデリジェンスの支援も強化していく方針です。
環境デューデリジェンスは、まさに公害や環境領域のビジネスを展開している企業については、かねてより実施されてきましたが、その概念や社会からのニーズはより広範になってきています。
そういう意味で、中期経営計画と同様に、ビジネスデューデリジェンスの領域における、補足的な立ち位置ではありますが、そうしたトピックにも注力していく方針です。
具体的には、ビジネス構造・業績構造分析における、ESG評価を実施していくイメージです。
プライベートファンドやコンサルティングファームについては、ビジネスデューデリジェンスはもちろんですが、環境デューデリジェンスなどを検討されている方は、お気軽にご連絡貰えれば幸いです。初期フェーズにおいては、共同でフレームワーク等の策定なども大歓迎です。
そもそもデューデリとは?
という方は下記など参考にしてみてください。
ビジネスビジネスデューデリジェンス
〜企業診断手法ほ基礎から実務手順まで〜
Social Impact Actでは社会的インパクトを意図した企業やその取り組みを紹介してきました。
その企業の価値や現状を的確に把握し、評価する手段がデューデリジェンスと呼ばれるものです。
デューデリジェンスの基礎となる知識を記載している、『ビジネスデューデリジェンスがよ〜くわかる本』という書籍の内容を紹介します。
ビジネスデューデリジェンスとは
デューデリジェンスには以下の手法があります。
・アカウントデューデリジェンス:財務、会計的側面からの企業分析、評価アプローチ
・リーガルデューデリジェンス:法律的側面からの企業分析、評価アプローチ
・ビジネスデューデリジェンス:ビジネスモデルの特性、企業の長所や課題、活性化のポイント等、事業自体の見えない部分を見える形にし分析、評価するアプローチ
・その他デューデリジェンス:特許評価や人的リスク等からの企業分析、評価アプローチ
・ビジネスデューデリジェンスを行う際には、会社の内部の実態を把握する「内部環境分析」と、その企業を取り巻く状況を把握する「外部環境分析」を、「動態データ」と「生態データ」との掛け算で調査します。
・書籍で紹介されている、ビジネスデューデリジェンスの流れ
※スケジュール感などに応じてやることも変わります
1. プレ調査:調査すべきポイントの明確化
2. 調査設計:調査手法、担当者、期日の明確化
2.1. 調査仮説の明確化
2.2. 収集すべき情報の洗い出し
2.3. 情報別取集方法の検討
2.4. 収集情報の決定
2.5. 調査要員確保・教育
2.6. 調査の実施・情報収集
2.7. 分析加工の実施
2.8. 調査設定の追加・修正
3. 実態調査:調査に基づく「表出化」(複雑に見える現状を一旦全て見える化する)
4. 現状総括:調査をまとめ、現状総括
5. 判断:企業活性化の方向性等、難易度、時間などの明確化
・ビジネスデューデリジェンスを行う際には、限られた時間とリソースの中で、「スピード化」「限定化」「表出化(複雑に見える現状を一旦全て見える化する)」「単純化」がポイントとなると紹介されています。
つまり、特定の企業の価値や、強み、弱みなどを可視化していくことをビジネスデューデリと呼び、特に環境やESGの観点でのデューデリを環境デューデリと呼ぶわけです。