Social Impact Act

2019年12月2日

サステナビリティーとブランド構築について

最終更新: 2020年8月6日

SIAの今井です。

昨今、SDGsやサステナビリティーへの企業の考え方の整理や対応という依頼が増えています。
 

 
そうした文脈の中で、ブランド構築ということに話が進むことがありますので、今回はブランド構築について。
 

 
以前、「社会的インパクトと企業の成長を両立させるブランド戦略」という記事もありますので、ご関心をお持ちの方はそちらも参考にしてみてください。
 

 
まず、議論の出発点として、ブランドといってもその概念は広いものです。色々な切り方ができますが、ブティックファームの(KI Strategy)では、4つのフェーズに切り分けて考えることが多いです。
 

 
1.ブランド戦略    … ブランドのあるべき姿や定義、目的などの設計
 
2.ブランドエグゼキューション         … ブランド構築に向けた具体的な施策と実行
 
3.ブランドコミュニケーション   … ブランド提供価値を社内外への発信
 
4.ブランドマネジメント       … ブランド提供価値のメンテナンス・改善
 

 
やはり一番重要なのは、ブランド戦略でしょう。
 
どういう目的やゴールを設定するかです。
 

 
また、「”誰に”、”どのような”ブランド価値を訴求するか」という切り分けも重要な論点です。
 
別段、従業員に訴求すべき内容と、投資家に訴求すべきものは違ってしかるべきでしょう。
 

 
※ここら辺については、宗教論争というか、関わってきたファームでも、むしろ社内外のコミュニケーションやステークホルダーに、いかに統合したメッセージを伝えるかが重要であるということを主張するコンサルタントもいます。
 
私は、子どもに伝える時と、大人に伝える時、コアになる部分は変わらなくても、伝えるべき内容や、その伝え方、表現などは変えていくべきだと考えている派ではあります。
 

 

 
切り分けとともに、重要な論点は、「現在」と「未来」の両方からブランドの提供価値を規定すべきということも忘れてはならないでしょう。
 
ある意味、現在の価値を整理するだけでは、顧客は既に認識しているもので、改めて、「ブランド戦略」を構築したとはなりにくい意味もあります。「ブランドの観点を整理した」ことにはなるかもしれませんが。
 

 
そして、もっとも重要だと考えているのは、「ブランドと企業文化とのフィット感」だと思っています。ここら辺は、「社会的インパクトと企業の成長を両立させるブランド戦略」の記事となるハーバードビジネスレビューの論文でも語られている論点です。
 
もしも、現在・未来からの観点という文脈でいうならば、過去から紡ぎあげてきた、企業のイメージなどをしっかりと把握するとも言い換えられるかもしれません。
 

 
次につながるブランドコミュニケーションなどでも、問題になるのが、このフィット感が割とキモになります。昨今の文脈ですと、SDGsなどについて、なぜこの企業がこの問題解決を謳っているのだろう・・・と思ってしまうことがあります。
 

 
「”誰に”、”どのような”ブランド価値を訴求するか」という検討の結果において、疑問に思う人がターゲットではなく、誤解が生じているのであれば、企業としてはそこまで問題ではないかもしれません。ただ、そうではなく、単純にフィット感が悪いこともあるのではないかと思います。
 

 
そして、企業とブランドのフィット感については、意外と中の人からのイメージと外からのイメージが違ったりもします。そこで外部の視点を取り入れるという意味でも、コンサルの活用も一案になります。よく、〇〇アンケート調査などが、社内の人から見て、とんちんかんに感じることが往々にしてあるのは社内と外からのイメージの齟齬も一つの要因でしょう。
 

 

 

 
ブランドは、英語「brand」からの外来語。 「brand(ブランド)」の語源は、焼印を押す意味の「Burned」で、自分の家畜と他人の家畜を間違えないよう、焼き印を押して区別していたことからと言われています。
 

 
ブランドコミュニケーションの主要な戦いは、〇〇と聞いた時に連想される、マインドシェアの奪い合いだと言われることがよくあります。
 

 
スマートフォンと聞いた時、iPhoneを思い浮かべる。これがappleの強さです。
 

 
ブランドを考える際に、「ブランド戦略」「ブランド戦略エグゼキューション」「ブランドコミュニケーション」「ブランドマネジメント」は切り分けて議論してみてはいかがでしょうか?
 

 
エグゼキューション、マネジメントあたりは、また別の機会に記事にしようと思います。