Social Impact Act
2019年11月22日
最終更新: 2020年8月6日
SDGsやサステナブルなど、最近よく耳にするようになりました。
社会課題のビジネスによる解決。こうしたテーマを経営戦略の文脈でも議論されるようになってきました。
そこで、そもそも「社会課題とは何か?」ということについて。
社会課題そのものは、理想と現状とのギャップでもあり、絶対的なものではありません。ただ、その主要発生要因はいくつかに分類されます。
・外部不経済:
ある活動によって生まれる負のインパクトによって、社会課題が発生することがあります。
公害などは、その代表格です。
公害などがおきる理由は、適切なインセンティブ設計がなされていないという側面があります。つまり、企業は利益をあげる必要がありますが、全体最適な観点では、ある一定程度の環境基準のクリアが、必要最低限の投資コストだということを企業に知らしめる必要があります。
→これは、自由競争を前提としながらも、ある程度の規制が正当化される根拠ともなります。
・また、民間企業からすると、公害に限らず、外部不経済を解決するためのテクノロジーやソリューションはまさにビジネス機会となりえます。
実際、日本が海外に輸出しているテクノロジーの多くに、車などもありますが、途上国などの広く外部不経済を解決するためのものでもあるということは事実です。
・フリーライダー問題
「みんなここに橋は欲しいと思うが、自分では負担したくない」
無知のベールという考え方があります。社会善を説く時に、私がどこから生まれるか、性別や能力なども未知数だった時、適切な社会はどうあるべきかを思考する手法です。
フリーライダー問題は、今生きている人同士のフリーライダーもありますが、将来世代へのフリーライドも社会課題として認識すべきでしょう。
→フリーライダー問題などの対処としても、全体最適の観点から、政府が一定程度、税金を徴収することが正当化されるのです。
・構造的な問題
日本で成り立つかは分かりませんが、国によっては、ありがちな問題です。
あるべき姿に変えるために、例えば、選挙によって代表を選ぶ。ただ、選ばれる人やそもそも立候補する人が、既得権益を守るインセンティブしかもたないなど。
また、そもそも選挙がなかったり、人口動態のゆがみ、あるべき姿に推進するための、教育や技術を持ち合わせていない場合などに派生する課題多くがの、構造的な問題に分類されます。
そもそも資本主義が~というタイプもここに分類されるものです。
・潜在的な問題
仮に社会課題をあるべき姿と現状とのギャップで捉えた時、あるべき姿と現状がそもそも、多様な人がいるなかで、明確にならないという問題があります。
これは、多数決問題などもゆわれる領域にも関連しますが、何を持って、あるべき姿か?また現状か?がそもそも難しい問題について、大きな潜在的な課題が存在しえます。
・実現不可能性
がんでの死者数を減らしたい。こうした命題であれば、ほとんどの人が賛同するものでしょう。ただ、そのあるべき姿に実現するための、テクノロジーや前提が整っていない場合も社会課題が発生しえます。
こうした種類の問題は、民間企業による解決が、最も求められる領域の一つと言えるでしょう。
今回は、主要な社会課題の分類について紹介しました。
もしも、社会課題がテーマになる会議などあれば、どの社会課題を指しているのか、意識してみてはいかがでしょうか?
※サステナビリティーやESG・SDGsの企画や導入、ブラッシュアップなどを検討されている方は、ブティックファームのKI Strategy Inc.でも支援を実施しています。お気軽にご連絡ください。