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アマルティアセンとソーシャル・リスポンシブル・エクイティーとは?

最終更新: 2019年7月3日


アマルティアセンとは

アマルティアセンはアジア人初のノーベル経済学者です。

ベンガルで生まれ、9歳の時に、200万人を超える餓死者を出した1943年のベンガル大飢饉を経験されています。

アマルティアセンの書籍は多く日本語訳で出版されており、開発経済などの領域では、大学の講義などの課題図書として読まれた方も多いかもしれません。

貧困と飢饉 (岩波現代文庫)

正義のアイデア

不平等の経済学

セン教授は、貧困問題を考える際に、貧困や飢餓というものは、存在する食料の多寡が重要なのではなく、食料を手に入れる能力を保持しているのかが重要であるということを書籍の中で訴えられています。

国に沢山食料があることではなく、口に運ぶ食料があるかが重要であるというテーゼは、当たり前のようで、実は様々な議論を呼びました。

一般に、食料が多くなるということは、完全な市場経済を想定すれば、供給が増えるわけですから、価格が下がると考えられ、価格が下がれば、様々な層にサービスが浸透すると考えることもできるからです。

ただ、セン氏は、自身もベンガル大飢饉などを経験し、現在のように物流なども発達してた状態にない場合、多くは、飢饉が起きている国であっても食料は余っている場合もあり、食料の多寡の増産を目指す、単純な貧困対策に一石の疑問を投げかけられました。

その後、セン教授は、アジア人初のノーベル経済学者になりました。


Socially Responsible Equity (SRE)とは

Social Impact Actにおいても広く社会的課題を解決する手段として、ソーシャルファイナンスに注目しています。

その中で、スタンフォードソーシャルイノベーションレビュー(SSIR)「The Responsible Hand: Overcoming the Shortcomings of Impact Investing」の記事の中でも、Socially Responsible Equity (SRE)という概念が紹介されています。

このSocially Responsible Equity (SRE)は、2011年にマサチューセッツ工科大学の発案で、同年、ダブリンで開催された欧州ビジネス倫理ネットワーク年次総会(European Business Ethics Network Annual Conference)で発表されたアイデアです。

アマルティアセン教授も、このアイディアに対して、“shows considerable originality and imagination.”(かなりの独創性と想像力を示している)と述べられているそうです。

ただ、日本語の情報媒体において、Socially Responsible Equity (SRE)に関する情報は、見当たりません。

Socially Responsible Equityは、企業による社会的インパクトのアウトカムを増やしていくことを目的に、それを株式の配当で実現させることはできないかというアイディアの一つのようです。

社会的インパクトの多寡によって、配当の規模を調整する株式(エクイティー)やコントラクトを投資家と結ぶというアイディアです。

そうすることのメリットは例えば、社会的企業の多くは、二種類の投資家と事業を進めていくことになります。

一つは経済的リターンを優先する投資家と、社会的インパクトを優先する投資家です。また、企業の株主(所有者)の持分は時代と共に変化します。

そのため社会起業家は、株主の「正しいブレンド」をどのようにするかということはコーポレートガバナンス上も重要となってきます。

企業としてどういった企業を目指すのかということを、Socially Responsible Equityによって規定することで、経済的リターンと社会的インパクトを両立する取り組みが安定的に運用できるのではないかという仮説です。

ただ、実際にはインパクトの測定や透明性の実効性の観点の課題や、スキームについてもいくつか理解できない点も残されています。

いずれにしても、株式や配当から企業の社会的課題やプラスのソーシャルインパクトの増大を増やすということは、本来あるべき姿であり、引き続き関連情報についても注目していきます。

参考URL

「The Responsible Hand: Overcoming the Shortcomings of Impact Investing」

https://ssir.org/articles/entry/the_responsible_hand_overcoming_the_shortcomings_of_impact_investing

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