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ソーシャルインパクト向けファンドを創設するには

最終更新: 2019年7月3日


第6回ソーシャル・ファイナンス研究会

〜社会的企業と資金需要〜

今回は、2016年11月26日に明治大学リベティタワーで開催された、第6回ソーシャル・ファイナンス研究会の内容を抜粋して紹介します。

講師略歴:

・小林立明 氏:ソーシャルファイナンス研究会代表

・澤山弘 氏:一般社団法人ソーシャルファイナンス支援センター代表理事、帝京大学経済学部教授

・立福家徳 氏:内閣府政策企画専門職

イントロダクション:小林氏

・社会的企業とは「ビジネスの手法を活用して、社会的目的を主とする財・サービスを提供しようとする組織(ICSEM(2015))」

・SEUK調査によると、英国における、社会的企業の資金調達は、助成金(83%)がメインをしめ、続いてローン(23%)、エクイティーは3%に止まります。

→これは、英国における社会的企業は、株式会社だけではなく、保証有限責任会社の比率が高いことも影響しています。

・ソーシャルファイナンスの主要手法は以下の三つ

グラント:返済の必要がない無償の資金

デット:一定の期間後に利子付きで元本を返済する必要がある有償資金

エクイティ:業績や企業価値に応じて配当を支払う必要がある有償資金

・非営利組織においては、エクイティーを通じた資金調達が一般的には難しく、エクイティーに依存しない資金調達手法ん開発も検討に値する(準株式、NPO債等の社会的企業向けローンフログラムや信用保証プログラム)

・B-Corpとは、基本的には、以下の要件を満たす法人が認証されたものをさします

定款に社会・環境目的を明記

定款変更手続きを株主総会の2/3以上

第三者評価基準に基づく社会・環境利益報告(benefit report)を作成・公開

社会的企業にはどのような資金調達手段があるのか:澤山氏

【私募債】

私募債とは、49人以下の少数特定の投資家に対する社債の発行のことです

・金融商品取引法が求める開示規制に基づく有価証券届出書や有価証券報告書は不要で

・総額1億円未満であれば、金商法が求める通知義務も必要もありません

ただし、本格的な資金募集には制約が多い

・私募債はあくまでも事業会社の「借金」であり、募集にあたって厳しい制約があります。

(募集の対象自体が、49人と制限され、募集の結果が49人以下ならよいということではありません)

【市民出資ファンドの募集】

市民出資ファンドとして想定される投資組合には、以下のスキームが考えられます

「民法に基づく任意組合(民法667条1項)」

・各事業者が出資をなして事業を運営することを約する民法上の契約ですが、無限責任となります。

「特例法に基づく投資事業有限責任組合(LPS)と有限責任事業組合(LLP)」

・投資事業有限責任組合契約に関する法律の特例法に基づき投資事業を行う任意組合

「匿名組合」

・当事者の一方が相手方の営業の為に出資し、その利益の分配を受けることを約する商法上の契約

・投資組合として、簡便で一般的な形態

ただし、ファンドを勝手に作って資金集めすることには、金融商品取引法が集団投資スキームとして包括的に規制されており、金融商品取引業の登録が原則必須となっています。

みなし有価証券の発行者が、第二種金融商品取引業の登録しないで、ファンドを募集する方法としては、第一種・二種金融商品取引業者に募集代行を依頼するなどの方法はありますが、コスト等々のデメリットがあるというのが現状です。

今回は、ソーシャル・ファイナンス研究会の内容を抜粋して紹介しました。

とても為になる勉強会ですので、是非、興味がある方は参加してみてください。

http://japan-social-innovation-forum.net/?page_id=2649

関連書籍

講師の小林立明氏の訳で『フィラオンソロピーのニューフロンティア』が出版されています。こちら、社会的インパクト投資について、登場プレイヤー等、包括的に紹介されている良書です。

原文は、Lester M. Salamon氏の『Leverage for Good: An Introduction to the New Frontiers of Philanthropy and Social Investment』です。

この領域に興味をお持ちの方は、是非、手にとってみてはいかがでしょうか?

引き続き、ソーシャルインパクトを意図した企業や取り組みについて、紹介していきます。

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