WBCSDとは
WBCSD(World Business Council For Sustainable Development)「持続可能な開発のための世界経済人会議」は、ビジネスにおいて、持続可能な世界を推進することを目的とした組織で、70近くのネットワークパートナーが所属しており、ポシティブな社会的インパクトの創出を推進しています。
メンバー企業は約200社、全体売り上げ規模850兆円、従業員1900万人というグローバルコミュニティーです。
ミレミアム開発目標の後継として採択された、持続可能な開発目標(SDGs)の推進にも中心的な役割を担っています。
WBCSDが、「Reporting Matters 2016」を発表し、企業のSDGsの導入情報などを紹介しています。
その中で、企業が発表する、「レポート」に使われている名称についての報告がありました。
以下、「Reporting Matters 2016」のレポート(P12)をベースにSIAで作成。
※SustainabilityReport、CSR Report、Integrated Report、Otherを抜粋
サステナビリティレポートとCSRレポート
企業の社会的責任が問われ出し、企業のホームページ内でも、企業の社会的責任に向けた取り組みを報告することは今や、「スタンダード」となりつつあります。
日本においてはどういった名称でレポートが報告されているのでしょうか?
以下、日本を代表するグローバル企業の具体的なレポートの抜粋です。
【サステナビリティレポート系】
トヨタ:Sustainability Data Book
日産:サステナビリティレポート
ホンダ:サステナビリティレポート
マツダ:サステナビリティレポート
BMW:Sustainable Value Report
花王:サステナビリティレポート
味の素:サステナビリティレポート
【CSRレポート系】
Sony:CSRレポート
東芝:CSRレポート
NEC: CSRレポート
東レ:CSRレポート
三菱電気:CSRレポート
富士通:CSR報告書
任天堂:CSRレポート
NTTデータ:CSR報告書
村田製作所:CSRレポート
大和証券:CSRレポート
【統合報告(Integrated Reporting)系】
PWC:Integrated Reporting
豊田通商:統合レポート
KDDI:統合レポート
【その他】
ゴールドマンサックス:ESGレポート
野村証券:「Nomura レポート」
等
日本においては、「サステナビリティレポート」と「CSRレポート」の使い分けは記載内容というよりは、業種によって偏りがある傾向にあります。
自動車業界は、「サステナビリティレポート」がスタンダードです。
パナソニックなどは、「サステナビリティレポート系」の名称を利用しているなどの例外はありますが、家電業界については、「CSRレポート」を使っているグローバル企業が比較的多い傾向にあります。
欧米の企業を中心に、「レポート」において、SDGsの観点と絡めた事例が増えてきています。それらの企業の具体例と傾向についても、折を見て紹介していきます。
また、日本の中小・中堅企業において実施されている、CSRの活動内容の報告や、活動についても紹介していきます。