Social Impact Act
2016年11月25日
最終更新: 2020年10月16日
目次
社会的投資の主要プレイヤー~欧州編~
【第1話】ドイツ・オランダの社会的投資プレイヤーの事例 【本記事】
・KfW:ドイツ
・Triodos Bank:オランダ
・FMO:オランダ
【第2話】イギリスの社会的投資プレイヤーと取り組み
・Social Stock Exchange:イギリス
・Big Society Capital:イギリス
KfW:ドイツ
今回は、ドイツのソーシャルインパクト投資機関の、KfWについて紹介します。
KfWは、1948年から活動する、歴史ある国際金融機関で、所謂、狭義の金融機関としても、インパクトの大きい金融機関ですが、ミッションの一つに「Development Finance」を掲げており、社会的投資や開発経済の領域においても、大きな影響力があります。
「KfW Development Bank」の2000億近い(1816M€)ファンドは、44%がサブサハラアフリカ向け、29%がアジア向けという発展途上国に重心のおいたポートフォリオとなっています。※1
投資領域としては、「水」「健康」「教育」「エネルギー」「農村開発」にフォーカスを当てて、ザンビアの水キオスク事業を始め、KfWのファンドによって、世界1800万人の水アクセスに寄与、女性を中心とした7万人の雇用創出、1150万人の教育アクセスに寄与したと報告しています。※2
また、KfW Development Bankの50年以上の開発経済領域としての実績からも、シンクタンクとしての顔も持ち、発展途上国向けの金融サービスや、ソーシャルインパクト向けの調査・研究も多数公開しています。
KfWが企画する「Development Finance Forum」は、開発経済領域の専門家会議として、貴重な知見を共有しています。
Triodos Bank:オランダ
次に紹介するのが、オランダの社会的投資機関の、Tridos Bankを紹介します。
Tridos Bankは、1971年に設立され、今では、サステイナブルプロジェクトのみにファイナンスすることを提唱している金融機関となります。
Tridos Bankは、1000社以上の会社に投資を行っていますが、マイクロファイナンス領域にも力を入れいています。
Social Impact Actでは別途、世界のマイクロファイナンス機関(MFI)を纏めていますが、アフリカ領域に絞っても、Tridos Bankは下記のMFIに投資を行っています。
※折をみて、世界のマイクロファイナンス機関(MFI)についても、紹介していきます。
FMO:オランダ
次に紹介するのが、オランダの社会的投資機関の、FMOを紹介します。
FMOは、1970年以降、発展途上国や振興市場に投資する金融機関として、計85カ国への投資の実績があります。
2015年ベースで、1.6bln€(1900億円)近いファンドを運用しており、858,000人にも及ぶ雇用や、936,000トンものCO2排出削減に寄与するなどの社会的影響を及ぼしています。
幅広い領域に投資していますが、特に、「金融」「農業」「エネルギー」「インフラ」領域への投資が多いの特徴的です。
投資領域については、南米:32% アフリカ:26% 欧州・中央アジア:18% アジア:14% そのた:11% ※3 という南米に最も重心を置いたポートフォリオを形成しています。
オランダ政府も投資している、FMOは、国際的な金融機関ですが、ソーシャルインパクトを意識した投資に力を入れていおり、欧州の主要金融機関が社会的投資領域にどれだけ参画してくるかは、インパクト投資が世界的な市民権を得るかどうかの一つの試金石として、引き続き、注目していきたいと思います。
今回は、欧州の社会的投資会社と、その投資先企業を紹介しました。引き続き世界の社会的インパクトに関連した活動を行う企業とその取組を紹介していきます。
参考URL
※1 https://www.kfw-entwicklungsbank.de/International-financing/KfW-Development-Bank/Tasks-and-goals/Unsere-Arbeitsweise/
※2 https://www.kfw-entwicklungsbank.de/International-financing/KfW-Entwicklungsbank/Topics/
※3 https://www.fmo.nl/agribusiness