Social Impact Act

2016年12月9日

社会的投資を牽引するアメリカの投資会社

最終更新: 2020年8月5日

目次

社会的投資の主要プレイヤー~北米編~

【第1話】アメリカを代表する社会的投資機関〜RSFとは〜

・RSF Social Finance:アメリカ
 
・IGNIA:メキシコ

【第2話】社会的投資を牽引するアメリカの投資会社 【本記事】

・Acumen:アメリカ
 
・The Rockefeller Foundation:アメリカ

・Tonic:アメリカ

【第3話】米国の歴史あるソーシャルインパクト投資機関

・Root Capital:アメリカ

Acumen:アメリカ

次に紹介するのは、アメリカの社会的投資プレイヤーのAcumenについて紹介します。

Acumenは、2001年にロックフェラー財団等のシードキャピタルを得て、法人化された、ソーシャルインパクト投資機関です。

Acumenは、貧困問題解決などの社会的起業家に対して、ベンチャー投資を行っています。

投資先企業例:MEKELLE FARMS

MEKELLE FARMSはエチオピア最大規模の養鶏会社です。

エチオピアでは、人口の約30%は貧困線以下の生活をしており、エチオピアの子供の47%は極度の栄養失調の結果として発育減退を経験しているといわれています。

また、エチオピアは、鶏肉と卵が大量に含まれているタンパク質が著しく欠乏しているという状況があります。

Mekelle Farmsは、病気に強い鶏を生産し、独自の流通モデルを通じてエチオピアの小規模農家に販売しています。 Mekelle Farmsは田舎の農家市場をターゲットにしており、地元のエチオピアの鶏と比べ5倍以上の卵の生産を可能にしています。。

Mekelleのモデル農場は、農村世帯の過酷な環境に耐えることができるよう、40日まで雛を育てます。その後、地方政府関係者と協力して、農村世帯への販売を行っています。

同社は年間100万頭以上の雛を生産し、3年以内にこれを200万頭に増やす予定としています。

投資先企業例:SPROXIL

SPROXILは、悪徳医療に対応するためのモバイル会社です。

世界の偽造薬物市場は、世界中の公衆衛生に重大な脅威となっています。開発途上国で販売されている医薬品の最大30%が偽造品であるか、標準以下とされています。世界の偽造品市場は2,000億ドルと推定されています。

偽造薬物は世界的にかなりの数の死亡を招いています。 70万人の死亡は、マラリアと結核のための真正な薬剤に起因していると言われています。

Sproxilは、購入している医薬品が本物であることを消費者が確認できるMobile Product Authentication™(MPA™)ソリューションを開発しました。

Sproxilはナイジェリアでアフリカ初の国内モバイルベースの偽造防止サービスを開始し、すでに500万件以上の偽造防止ラベルを販売しています。

Acumenからの、投資により、Sproxilはインドとケニアへの拡大を開始し、ナイジェリアと米国で販売チームを構築するなど、成長が加速されています。現在の顧客には、現地企業やGSK、Johnson&Johnsonなどのグローバル製薬企業が含まれています。


 

 

 
The Rockefeller Foundation:アメリカ

次に、アメリカの社会的投資プレイヤーのロックフェラー財団(The Rockefeller Foundation)について紹介します。

ロックフェラー財団(The Rockefeller Foundation)は、石油王で大富豪のジョン・ロックフェラーにより1913年に設立され、世界で最も影響力があるNGOの1つに数えられています。

基金は数百億ドルに及び、サブサハラアフリカ1カ国の予算規模に比べても大きく、ベトナムの国家予算と同程度の規模を1基金が保有していることになります。

「インパクト投資」も、2007年にロックフェラー財団が、イタリアのBellagioで行ったセミナーで提唱されたものとされており、社会的投資やソーシャルインパクトの領域についても、大きな影響力があります。

また、ロックフェラー財団は、「インパクト投資」の言葉の定義に始まり、市場規模の算出やルール策定にも中心的な役割を担っており、その動向は世界から注目を集めています。

Tonic:アメリカ

次に紹介するのは、アメリカの社会的投資プレイヤーのTonicについて紹介します。

Tonicは、2010年に設立された、インパクトインベスターです。

以下、 Tonicの投資先企業の抜粋です。

Copia Global Inc:ケニアのナイロビにおいて、BOP層向けのEコマースや、住所が特定出来ない人でも問題なく稼働するデリバービジネスを展開。

Digital Divide Data:2001年に設立された、カンボジアやラオス、ケニアなどの発展途上国におけるビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業を展開

FrogTekfrogtek.org/バーコードリーダーを搭載したスマートフォンやタブレットを利用して、シンプルなPOS管理、課金、在庫管理を実現するアプリケーションを提供

The Media Development Investment Fund (MDIF):世界中のジャーナリストが、専門的で責任ある質の高い取材、政府の説明責任の追求、腐敗の暴露等が持続可能とするために、世界中のジャーナリストを支援するプラットフォームを提供

Promethean Power Systems:インドをはじめとする無電化地域の開発途上国において、商業用の冷蔵庫の設計・販売

Rent To Own:ザンビアで、クライアントごとに6段階ローンサービスを提供

SMV Wheels:インドの人力車運転手の顧客に、融資を提供し、人力車を直接所有する機会を提供します。人力車の運転手には正式なライセンス、損害や盗難の場合の保険、身分証明書、基本的な銀行口座が付与

今回は、アメリカの社会的投資会社と、その投資先企業を紹介しました。引き続き世界の社会的インパクトに関連した活動を行う企業とその取組を紹介していきます。
 

 

 

参考ULR

・http://acumen.org/

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