米国の歴史あるソーシャルインパクト投資機関

最終更新: 2020年8月5日

社会的投資の主要プレイヤー～北米編～

・RSF Social Finance：アメリカ
・IGNIA：メキシコ

・Acumen：アメリカ
・The Rockefeller Foundation：アメリカ

・Tonic：アメリカ

【第3話】米国の歴史あるソーシャルインパクト投資機関【本記事】

・Root Capital：アメリカ
・Investors' Circle：アメリカ

Root Capital：アメリカ

次に紹介するのは、アメリカの社会的投資プレイヤーのRoot Capitalについて紹介します。

Root Capitalは、1999年に設立された、ソーシャルインパクト投資機関です。

中南米、東アフリカ、西アフリカを中心に、主に農業領域のミッシングミドル向けの投資を行なっています。

（Root Capitalのアプローチについては、下記動画を参照ください）

投資先企業（Savannah Fruits Company：ガーナ）

Savannah Fruits Companyは、2006年に、ガーナの農村のシアバターを世界の化粧品原料市場へアクセスさせることを目的に設立されました。

Savannah Fruits Companyは、国際市場に販売する高品質バターの開発するために、女性協同組合と協力して教育・トレーニング、組織開発支援も実施しています、

ガーナ北部の女性たちは、シアナッツからバターに加工する技術を娘たちに伝承してきました。

そしてガーナでは、シアバターは食用油や、また皮膚や炎症のための薬としても使用されています。（しばしば女性の唯一の収入源であるため、シアバターは“women’s gold”「女性の金」と呼ばれています。）

そのため、ガーナでは、シア・ナッツ・ツリーを高く崇拝する文化があり、ミュニティ・リソースとみなされ、個別の所有や伐採を禁止している地域があります。

Root Capitalは、貯蔵施設の提供、品質管理の訓練、世界市場におけるプレミアム価格でのアクセスなど、ガーナの女性従業員が利益を享受できるよう支援しています。

投資先企業（Freshco seeds：ケニヤ）

Freshco seedsは、2000年に設立されたケニアの小規模農家向けに、トウモロコシの高収量が見込めるハイブリッド種子を販売しています。

ケニアの様々な地域の気候に合わせて最適化されたトウモロコシのハイブリット種子は、通常の種子より1ヘクタールあたり2倍以上の生産を可能にしました。

Investors' Circle：アメリカ

次に紹介するのが、Investors' Circleです。

Investors' Circleとはインパクト投資に関連する、社会起業家や、ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家などのコミュニティーです。

歴史は長く始まりは、1992年のシカゴの活動に遡ります。

Investors' Circleは、カンファレンスを企画しており、社会的にポジティブなインパクトを生み出すアイディアがピッチされます。

Investors' Circleと似た取り組みは他にも、本Webでも紹介させて頂いたSOCAPやSkoll World Forumなどがあります。

Gram Powerとは

Investors' Circleで注目を浴びた企業の中には、インド等の発展途上国の電力問題の課題に挑戦するGram Powerがいます。

Gram Powerは、オンデマンドで操作可能な、スマートグリットメーターの開発を行っています。

取り組みの内容は動画でも紹介していますので、興味がある方は、閲覧してみてください。

SunFunderとは

Investors' Circleには、社会的課題に挑戦する社会的企業だけではなく、領域に特化した、社会的インパクト投資機関が参加しています。

例えば、SunFunderは、太陽光発電などの電力課題に特化した投資機関です。

欧米では、本Webでも紹介している通り、幅広い分野に投資する、社会的投資機関も数多く存在していますが、領域や地域を限定した投資機関も生まれています。

Impact Investing Policy Collaborativeとは

Impact Investing Policy Collaborativeは、ベンチャー投資を行うとともに、インパクト投資を推進する政策などに働きかける活動を行なっています。

日本にも、政策に働きかけることを専門にした、コンサル会社は、マカイラ社をはじめ数多く存在していますが、アメリカではインパクト投資促進を働きかける会社が生まれてきています。

今回は、アメリカの社会的投資会社とその投資先企業を紹介しました。

引き続き世界の社会的インパクトに関連した活動を行う企業とその取組を紹介していきます。