Social Impact Act

2017年1月12日

ミャンマーから学ぶ「国際協力」BAJ Café 2017とNIN2ビジネスミャンマービジネスコンペティション

最終更新: 2020年8月5日

BAJとは

2017年1月11日19:00~に渋谷のやまとビルで、「ミャンマーから学ぶ「国際協力」BAJ Café 2017」が開催されました。

今回はその内容を抜粋して紹介します。


ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)とはミャンマーとベトナムで国際協力活動を行う認定NPO法人です。

1993年に国際協力の任意団体として発足したBAJは、ベトナムの戦後復興支援から始まりました。1994年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請を受け、ミャンマーのラカイン州北西部のマウンドーを拠点に、帰還難民の定住促進事業を開始しました。さらに2000年からは、ミャンマー中央乾燥地域で生活用水の供給事業を、さらに2002年にはベトナムのホーチミンに連絡事務所を設け、貧困地域の生活改善事業を進めています。

http://www.baj-npo.org/AboutBAJ/ より引用


バイオガスダイジェスター普及プロジェクト:ベトナム

BAJでは、ベトナムのフエ市において、養豚農家を対象に家畜糞尿を活用したメタンガス発酵槽の設置するプロジェクトを実施しています。

養豚農家に対して、家畜の糞尿を溜めてメタンガスを発生させるバイオガスダイジェスター(BD)の設置を進めています。
 

 

 
BDを導入することで、これまで農家と地域住民の間で課題となっていた家畜糞尿の悪臭・垂れ流しによる衛生的な問題の改善が可能となりました。また、BDにより発生するガスは家庭の調理用コンロ、または街灯(ガス灯)に利用され、家計の支出削減や治安の改善も期待できるといいます。

※Social Impact Actでも、バイオガスダイジェスターとは直接関係はないのですが、途上国(アフリカ)におけるサイドビジネスや資産として家畜(ヤギ等)の可能性について、日本の大学教授と協力しながら、プロジェクトの企画を行なっています。

そちらの活動についても別途、紹介していければと考えています。

井戸事業:ミャンマー

ミャンマー中央部に雨量が年間で500~600ミリ(東京の1/3)と少ない「Dry Zone=乾燥地域」と呼ばれるところがあります。

普段は、近くにある池の水を生活用水として利用しますが、乾季には池が涸れてしまうため、村人は天秤棒で重さ40キロの水桶を担ぎ、片道3~4キロを歩いて水を運びます。

(イベントでは、最新のプラスチック製の水桶が紹介されていました)

これまで、BAJは、ミャンマーにおける水アクセスの拡大のために、1996年から新規井戸を126本近く完成させているそうです。

井戸を掘るためには、闇雲に堀すすめるのではなく、電気探査や地下水調査で掘削深度を特定するなど専門知識も必要になるそうです。

BAJでは、今回イベントで紹介されたプロジェクト以外にも様々なプロジェクトをベトナムとミャンマーを中心に実施されています。

今回開催されたイベントなども数多く企画しているそうです。興味を持たれた方は、BAJのホームページを参照してみてはいかがでしょうか?

http://www.baj-npo.org/


 

また、ミャンマーと関連し、以下のイベントも開催されました

Japan Academia総会 NIN2コミュニティーイベント

今回は、2017年年2月7日(火)大手町ファーストスクエアカンファレンスにて、日本国際化推進協会が運営事務局となり開催された、「Japan Academia総会 NINNIN(ニンニン)コミュニティーイベント/ミャンマービジネスコンペティション2016」の内容について紹介します。


日本国際化推進協会とは

当協会は、日本の国際化を実現するために設立されました。

現在、日本には世界160か国・200,000人を超える留学生が日本に来ております。 その留学生の多くが卒業後には活躍され、母国の大事な役割を担っている方は少なくありません。
 

 
しかし、そのような方々と日本国とは未だに上手く連携を取れていない状況です。
 

 
そこで弊協会といたしましては、日本での留学を終えた卒業生がどのような活動をされているかを可視化し、さらには現役及び御卒業された日本留学生と日本企業をお繋ぎし、企業のイノベーション創造、人事制度の見直し等を通して国際化を実現していければと考えております。

日本の国際化を通じて、「世界中のひとが働きたくなる国」「世界中のひとが学びに来たくなる国」「世界から信頼される国」を創り出し、 世界の平和と安定と繁栄に貢献できるよう、
 

 
日本の国際化を目指し活動しております。

http://japi.or.jp/より引用


ゲストスピーカー(西口尚宏氏)

Social Impact Actにおいても途上国の課題と、その解決策を整理する活動を有志で行なっておりますが、この分野で最も著名な取り組みが、西口氏が推進する、国連開発計画と共同で実施されている「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成をビジネスで目指す、オープンイノベーションプラットフォームの「SDGs Holistic Innovation Platform(SHIP)」です。

SDGsの解決を、援助やODAとしてではなく、ビジネスの機会として捉える取り組みです。

日本国企業においも、昨今、「継続的な革新性」をどのように担保するのかは重要な課題となっています。

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーターは、イノベーションのためには「慣行軌道の変更」による「重心の変更」が重要で、そのためには「新結合が有効」であると唱えました。

現在は、製品の競争力ではなくプラットフォームの競争力の時代となっており、NIN2の取り組みはまさにこのコミュニティーを作っていくこころみです。

また、ほとんどのアイディアは初期時点では大したものではなく、そのアイディアをどのように育て、「価値」に変換する組織的な行動を行なっていけるかが重要であると西口氏は唱えます。

昨今、「イノベーション&マーケティング&CSR」の組み合わせの重要性が日系企業にも浸透してきました。その中で、SDGsの解決をいかにビジネスの機会として捉えるかも重要になってきます。

ミャンマービジネスコンペティション2016

以下がミャンマーで開催されたビジネスコンペティションで選抜されたビジネスモデル案と、渋谷健氏(ミャンマービジネスコンペティション審査委員長)の総評です。

【チーム名:RA】

天然化粧品の「タナカ(Thanakha)」は、ミャンマーで多くの人が肌を守る用途で利用 していますが、「タナカ」には虫除けの効果もあり、マラリアの媒体となる蚊に対 しても有効です。この効用を用い、従来とは異なるマーケットに「タナカ」を活用 した新製品を展開していきます。

→ミャンマーの伝統文化と現代技術を融合して貧困の問題や医療の問題に貢献して欲しい

【チーム名:Irrawaddy】

様々な商材を取り扱う24時間対応の省スペース型のミニショップを展開 します。小さい店舗を市内に複数展開し、それぞれにハブ機能を持たせ、市内 全体をカバーできる配送サービスを提供します。

→物流は地域重要なインフラです。ミャンマーの発展を支えるためにも、ミャンマーらしい物流の仕組みとして欲しい

【チーム名:Reo】

新卒者や就業経験の無い人材への就職支援サービスを立ち上げます。 利用者に就業に当たっての様々なトレーニングや知識を習得する機会を提供し、 企業には採用への時間やコストの削減を提供します。

→人が育つことは、すべての活動の根源。ミャンマーの若い世代により実践的な知恵を届けて欲しい

コンペティションでは、ミャンマーにおいてオーガニック製品のニーズや、物流インフラの未整備、職業機会のアクセス増大などを目指す素敵なアイディアが発表されました。

Social Impact Actにおいても途上国の課題とその解決策については、様々なプレイヤーと協力して整理・発信していきます。

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