Social Impact Act

2017年2月22日

官民連携(PPP)におけるPFIとSIBについて

最終更新: 2020年8月5日

官民連携(PPP)/ SIB

官民連携(PPP)とは、Public Private Partner-shipの略称で、政府や地方自治体等の「官」と、企業等の「民」のパートナーシップのことです。

既に、様々な分野で、官民連携(PPP)が行われており、より一層、官民連携事業の推進のために「PPP/PFI推進アクションプラン」などが策定され、内閣府と国土交通省が「官民連携事業の推進のための地域プラットフォーム」などを推進しています。

広く官民連携の取り組みの中で、昨今、にわかに注目を集めているのが、ソーシャルインパクトボンド(SIB)です。

本WEBでもSIBについても何度か取り上げてきました。ソーシャルインパクトボンド(SIB)は市民権を得るのか?」「ソーシャルインパクトボンド(SIB)の可能性と課題

SIBとは、社会状態の改善(社会的価値の創造)に民間投資と官民連携の仕組みを活用して取り組むスキームで、社会的プログラムの運営費用を公金ではなく、民間調達の投資資金で賄い、事前に設定された成果指標を上回るインパクトが達成できれば、政府が投資家に対してリターンを支払う仕組みです。

こちら、公的機関とのプロジェクトを実施されてきた方は、それはPFIと何が違うのかと思われる方も多いかと思います。

プライベートファイナンスイニシアティブ(PFI)/ SIB

PFIは、1999年の「民間資金等の活用による公共施設等の促進に関する法律」2000年の「民間資金等の活用による公共施設等の促進に関する事業の実施に関する基本方針」に準拠しています。

1999年時点では、主に、公共施設等の促進という観点で語られることが多く、先に紹介した、「官民連携事業の推進のための地域プラットフォーム」も国土交通省が推進しています。

PFIには大きく分けて、以下の三つに分類できます。(プロジェクトの時系列と共に変化する場合もあります)

・独立採算型:事業から生まれた利益(利用者の利用料)で実施

・サービス購入型:官がサービスに対して対価を支払い実施

・混合型:上記のミックス

PFIとSIBはともに、広く官民連携(PPP)の一種と見ることもできます。スキームやコントラクトの結び方次第では、両者の違いは小さくなります。(が違うものです)

大きな違いの一つに、PFIは「民間資金等の活用による公共施設等の促進に関する法律」などの歴史的背景からもっぱら、施設(道路、鉄道、港)などに使われるスキームで、SIBが想定しているメインターゲットとは合致しません。

PPPやPFIについて興味を持たれた方は、「日本PFI・PPP協会」などのホームページを参照してみてはいかがでしょうか?

http://www.pfikyokai.or.jp/

今回は、ソーシャルインパクトボンドについて、既に馴染みのある、PPPやPFIという観点から紹介しました。

詳細については、参考文献に挙げさせて頂いている『ソーシャルインパクト・ボンドとは何か:ファイナンスによる社会イノベーションの可能性』をご参照ください。

引き続き、社会的インパクトを意図した取り組みについて紹介していきます。

参考文献

『ソーシャルインパクト・ボンドとは何か:ファイナンスによる社会イノベーションの可能性』

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