Social Impact Act
2017年2月17日
最終更新: 2020年8月5日
『格付けの真相〜Inside Credit Rating〜』
今回は、格付けの基礎となる知識を記載している、『格付けの真相〜Inside Credit Rating〜』という書籍の内容を紹介します。
社会的インパクト投資も、リーマンショック等の経済危機が契機となり、より注目を浴びたという背景があります。
経済がどのように動いていくのかということを決定する一つのファクターが格付けです。
この領域について興味をお持ちの方は是非、一度手にとってみてはいかがでしょうか?
信用格付け(credit rating)とは?
信用格付け(credit rating)とは、債券の発行者の返済能力を簡素な記号で表し、投資家にリスク情報を伝えるものです。
一般的には「発行体が金融債務の元本・利息を償還までに予定通り支払う能力及び意思についての意見」と定義されます。
格付けはあくまでも、発行体の債務返済能力に対する意見であり、債権投資に関するそれ以外のリスク要因は一切考慮されていません。
格付け評価に含まれない代表例は下記です。
・債券価格変動リスク
・流動性リスク、
・期限前償還リスク
・為替変動リスク
・イベントリスク 等々
格付けのプロセスとは?
各格付け会社のプロセスによる多少の違いはありますが、基本的には以下のフローとなります。
①格付け依頼
②事前ミーティング
③格付けに必要な情報の依頼・受け取り
④経営陣とのミーティング
⑤格付委員会への格付け推薦書の作成・配布
⑥格付委員会の開催
⑦発行体への格付けの連携
⑧発行体によるアピール(あれば)
⑨格付けの公表
⑩格付けのモニタリング
※格付委員会は基本的にはアナリスト、バックアップアナリスト、議長(シニアメンバー)、その他発行体の信用力についての建設的な議論に貢献できるメンバーで構成されます。
格付け分析のフレームワークとは?
格付け会社が格付けを付与している分野は多岐にわたりますが、その基本的な分析フレームワークは下記となります。
①企業のファンダメンタルズ分析
②経営陣の環境、競争、リスク対応力分析
③クレジットヒストリーの構築
④企業の将来像の定量化
⑤財務定量分析、ストレステスト
⑥その他診療評価に影響する要因(信用補完など)分析
⑦他社比較
⑧他の評価情報(市場指標・モデル評価など)との比較
⑨最終的な格付け評価
今回は、社会的投資などにも影響を及ぼす格付けの基礎となる知識を記載している、『格付けの真相〜Inside Credit Rating〜』という書籍の内容を紹介しました。
本書では、格付けの歴史や今後の格付けや、格付けの利用方法などをプレイヤー毎に紹介しています。
興味を持たれた方は、是非、一度手にとってみてはいかがでしょうか?
引き続き、社会的インパクを意図した企業や取り組み、また関連領域について紹介していきます。