検索
  • Social Impact Act

社会的インパクトを重視している人は何を重視しているのか?


社会的インパクトとは何か?

社会的インパクトを語る際によく登場するのが、セオリーオブチェンジ(社会変革理論)です。

セオリーオブチェンジについては、「社会変革のための『社会的インパクトとは何か?』」でも紹介しましたが、最終目標に向けてどんな介入が必要かを計画するために使われるフレームワークで、インパクトとは何かということを考える際にも有効はフレームワークです。

【セオリーチェンジに基づくインパクトの考え方】

インプット(投入)→アクティビティ(活動)→アウトプット(結果)→アウトカム(成果)→インパクト(社会的変化)

セオリーチェンジに基づと、なんらかの「インプット」や「活動」を通じて生み出される、「結果」や「成果」によって生まれた、「社会的変化」のことということになります。

社会的インパクトを重視する人とは

昨今、社会的インパクト投資、B-コーポレーション、社会的企業など様々な用語やプレイヤーが登場してきています。

では、社会的インパクトを重視する人とは具体的にどういう人なのかを整理してみました。


上記のマトリクスは、社会的インパクトを重視している人がどのような活動を支持するかでタイプ分けできるのではないかという仮説です。

形式的:定款での規定内容や経営理念での形式的な、社会的インパクトへのコミットメント

実質的:実際のビジネス活動で生み出される、実質的なアウトカムや社会的インパクト

社会的インパクトを重視している人はまずは、第一象限の定款や経営理念でも社会的インパクトに対するコミットメントを重視しており、実質的にもインパクトを生み出している企業や活動を重視すると考えられます。また、その逆の第三象限は、最も重視されないと考えられます。

ポイントは、第二象限と第四象限のどちらを重視しますか?ということです。

別の言い方をすると、「社会的インパクトを本気で経営理念に掲げているが、インパクトを生み出していない企業や活動」と「社会的インパクトを意図していないが、インパクトを生み出している企業や活動」どちらを重視しますか?ということです。

これは、卵が先かの議論で、「経営理念や定款等で社会的インパクトの最大化を明確化するから、実現するのだ」という考え方と、「そもそも目的は、社会的インパクトの最大化なのだから、経営理念や定款はそのための手段だ」という考え方です。

どちらが正しいということはありません。(時系列を加えると変わって来る可能性もあります)

戦略的社会的インパクトの推進

なぜ今回、「社会的インパクトを重視している人は何を重視しているのか?」という議論を取り上げたのかというと、「ソーシャルベンチャーや社会的企業とは何か」や「社会的企業の成果」などの議論でここが噛み合わないことが多いように感じるからです。

「ソーシャルベンチャーや社会的企業とは何か?」や「社会的企業の成果」については、様々な形式的な条件などを規定している機関などはありますが、(コンセンサスを形成していくのは重要ですが)それはその機関の一つの見方です。

「実質志向」の強いプレイヤーからすると、そもそも、「インパクト」や「社会的」などどのような名前を使っているかや、どのような定款かはあまり重要ではなく、実質的に生み出されたアウトカムや社会的インパクトを重視します。

「形式志向」の強いプレイヤーからすると、どういう目標を掲げているのか、どのような目的のものなのかを重視します。

(大抵は「実質志向」と「形式志向」のミックスですが、重点をおく比重は人によります)

ソーシャルファイナンスやソーシャルビジネスを実施されている方は、実はこの「実質志向」「形式志向」を戦略的に切り分けてビジネスに取り込みことは重要だと考えています。

繰り返しになりますが、「実質志向」と「形式志向」どちらがあっているとか間違っているということではないです(定義の仕方や切り口で見え方は変わってきます)、ただし、ビジネスには必ず顧客を初めとした、様々なステークホルダーがいます。

結論から言うと、ソーシャルファイナンスやソーシャルビジネスを実施されている方は、まずは「形式志向」に比重を置くプレイヤーに訴求すべきなのではないかと考えています。

これは、上辺だけの欺瞞的な社会的インパクトや社会貢献を推進すべきと言っているのでは全くありません(むしろ全く逆です)

ただ、どんなに社会的インパクトを目標にした取り組みであっても、ビジネスで取り組んでいる以上、様々なリスクや不確定要素があり、予想したアウトカムやインパクトを生めるかどうかは分かりません。様々な志向錯誤の上、ビジネスモデルが確立していきます。

ビジネスには様々なステイクホルダーと共に実施していきますが、初期時点で、「実質志向」に比重を置くプレイヤーに偏重すると、おそらく、「インパクト」や「ソーシャル」の名前だけ使ってるなどの批判に晒されるリスクが高まるのではないかということです。

欧米では、数多くの社会的企業(最近では、B-コーポレーションなど)の企業が多く生まれてきていますが、どのような企業が成功しているのかという研究や事例紹介などは数多くありますが(何を成功とするかも難しいですが)、初期時点では「形式志向」の強いファンに支えられながら(恐らく、実質的なインパクトという意味ではそこまで生まれていないですが)、志向錯誤の上、ビジネスモデルの構築と、良質な「エビデンス」の蓄積を行っているケースが多いのではないかと史料します。

良質な「エビデンス」の蓄積があれば「形式志向」のプレイヤーだけでなく、「実質志向」のプレイヤーも巻き込みより成長することになります。(ここに一つのキャズムがあるのではないかと考えられます)

ソーシャルファイナンスやソーシャルビジネス、社会的インパクトを意図されている方は、事業の推進や訴求方法、議論の整理の際などに、「形式志向」と「実質志向」を戦略的に切りわけてみてはいかがでしょうか?噛み合わなかった議論が前に進むかもしれません。

今回は、社会的インパクトを重視している人は何を重視しているのか?について、議論を整理しました。

Social Impact Actでは、形式的な観点も考慮しながらも、実質的な社会的課題にどのような取り組みやソリューションで解決に挑んでいるのかについて引き続き、紹介していきます。

#ビジネス #中小企業 #SDGs #評価認証 #ソーシャルインパクト #社会的企業

メルマガ登録はこちら