「日本における社会的インパクト投資の現状2017」が発表された。2017年の国内インパクト投資規模は約718億円。情報を分散型の管理台帳(ブロックチェーン上)に登録され、それを人工知能が解析して信用スコアが創出される時代が来るかもしれない。
日本国内のインパクト投資マーケット規模は、約718億円と推計
Global Social Impact Investment Steering Group(GSG)国内諮問委員会より、「日本における社会的インパクト投資の現状 2017」が発表されました。
レポートによると、2017年の国内マーケット規模は約718億円と推計されたており、2016年度の337億円から二倍以上増加したと見込んでいます。
拡大の要因としては、2016年度にも実績のあった社会的インパクト投資を専門に行う機関の中に投資残高を増やした機関があること、社会的インパクト投資に取り組む機関の顔触れが広がったこととしています。
インパクト投資は既存金融の進化なのか?
インパクト投資の一般的な定義は、「財務的リターンと並行して社会的および(もしくは)環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資である」ですが、似た概念にESGや長期投資があます。
こちら、ニュアンスが変わりますが、社会的もしくは環境的なプラスのインパクトを生み出さないと、長期的には財務的リターンも減損しますよね、という議論はかねてよりなされてきた事項ではあります。
関連記事:「社会的インパクト投資は本当にインパクトを生むのか?」「ソーシャルインパクトボンド(SIB)の可能性と課題」
価値経済と信用創造
個人的にも関心があるのが、インパクト投資もある意味そうですが、資本マーケットの概念の拡大について。
例えば、「お年寄りに席を譲る」ことなどは、その価値を貨幣換算されることはありません。(される必要もないかもしれませんが)
また、途上国に目を移すと、農家が農地などの土地を保有していない(もしくは保有していることを証明できないため)、本来信用力を持つ農家にも、資金が提供されないなどはよくある話です。
資本市場は完全情報を前提とした議論も多いですが、現実は情報が完備されていないことが、資本市場がゆがむ一つの原因となっています。
AGRIBUDDYなどのベンチャーでは、マクロデータと個人情報を組み合わせた農家の収支予測を元に農家の『信用力』を創造に調整している企業もあります。
ブロックチェーンや人工知能の活用
「お年寄りに席を譲る」は例えばですが、こうした情報を分散型の管理台帳(ブロックチェーン上)に自動的に登録され、それを人工知能が解析して信用スコアが創出されるような世の中が来るかもしれません。
現在、インパクト投資では、社会的インパクトをどのように評価するのか?というような論点が良くでてきます。
それ自体も興味深いトピックではありますが、むしろ資本市場でいままであまり考慮されていなかった情報(それは財務的リターン以外の情報)や概念?を”本当の意味で”組み込んだ際に、どのように資本市場が成熟するのかという観点でも、インパクト投資は大変興味深いトピックと認識しています。
Social Impact Actでも関連情報を引き続き、ウオッチしていきます。
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