Social Impact Act

2016年12月10日

社会的インパクト評価とは〜定義と意義・目的について〜

最終更新: 2020年10月16日

社会的インパクト評価とは

〜社会的インパクト評価イニシアチブ事務局、日本財団〜

今回は、ソーシャルイノベーションフォーラムの分科会プログラム「見えない価値を可視化する〜社会的インパクト評価の未来〜」について内容を抜粋して紹介します。

・「社会的インパクト」とは、「事業の結果として生じた、短期・長期の、社会的・環境的な変化効果をさす」

定義のポイントは、下記としています。

・「社会的インパクト」は「変化・効果」であること

・「社会的インパクト」は「短期的」に発生する変化・効果も含むこと

社会的インパクト評価の意義と目的

・事業や組織が生み出すことを目指す価値、その実現に向けた筋道=戦略、その結果をステークホルダーと共有できることで、説明責任が履行されます

・実際に価値創出につながっているかを検証でき、PDCAサイクルを回すことで、学び・事業改善を提供されます

よくある誤解

社会的インパクト評価についてよくある誤解として、以下を取り上げています。

・社会的インパクト評価は長期的な波及効果のみ評価する

・社会的インパクト評価は定量的手法

・社会的インパクト評価では測定したアウトカムを必ず貨幣換算する

・社会的インパクト評価=ランダム化比較試験

・全ての団体に単一の手法が適用される

社会的インパクトの定義について思うこと

以上が、ソーシャルイノベーションフォーラムの分科会プログラム「見えない価値を可視化する〜社会的インパクト評価の未来〜」について内容を抜粋して紹介しました。

社会的インパクトの定義について、思うところは下記となります。

(定義自体は、今後の議論や、新しい価値観の創出などによって可変のものであるという認識の上で)

・「社会的インパクト」という言葉を使う際の、共通の認識(前提条件)が醸成されるという意味でとても意義深いものとなっています

・汎用性の高い定義となっているため、定義したことによる、不適切に対象範囲の限定が限られることなく設計されています

・あえて、「短期」を明記したことにより、誤解が生じにくい定義となっています

・「事業の結果として生じた」ということは、事業ではない活動は、社会的インパクトの対象範囲外ということになり、「事業」とは何かという議論は残るように感じます

(「砂→石→岩の定義問題」と揶揄されるように定義内の言葉の定義の難しさを感じました)

砂とは何か、「石より小さい、鉱物質のかたまり」

では、石とは何か、「岩より小さく、砂よりも大きい、鉱物質のかたまり」

では、岩とは何か、「石より大きい、鉱物質のかたまり」

今回は、ソーシャルイノベーションフォーラムの分科会プログラムを抜粋して紹介しました。

引き続き世界の社会的インパクトに関連した活動を行う企業とその取組を紹介していきます。

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