Social Impact Act

2018年9月14日

負のインパクトを最小化すべきなのか?正のインパクトを最大化すべきなのか?

最終更新: 2019年7月3日

正のインパクトと負のインパクトとパレート原則

サステナブル領域の活動を実施している際に、時に噛み合わない議論となる際のお話しについて。

清廉潔癖な小組織と、自由競争の大組織のどちらが社会を前進させるか?ということが今回のテーマです。

厳密にいうと、「正のインパクト」と「負のインパクト」とは何か?ということそのものが難しい問題ではあるのですが、今回は仮想的にパレート優位・劣位を「正のインパクト」「負のインパクト」として考えてみたいと思います。

パレート原則とは、経済学の基礎でも学習する概念の一つです。

・誰にとっても状況が改善する:パレート優位

・誰にとっても状況が悪化する:パレート劣位

現実世界では、誰にとってもという状況はそうそうないのですが、ある一定の条件を置いてというのは経済学に限らずよくある話です。

清廉潔癖の小組織・自由競争の大組織

・清廉潔癖の小企業は、ある特定の領域に10の正のインパクトを創出し、負のインパクトは創出しない

・自由競争の大企業は、ある特定の領域に100の正のインパクトを創出し、ある領域に10の負のインパクトを創出する

うまく調整された単純化した世界であれば、自由競争の大企業の方が社会を前進させます。要するに、よく企業の不祥事など負のインパクトの創出が発見された際に、(当然負のインパクトは最小化させるべきですが、、)清廉潔癖な小企業を目指すべきか問われると全体最適の観点からは、必ずしもそうとも言い難いという側面もあります。

むしろ、100の「正のインパクト」が創出されることに対して、「10の負のインパクト」が創出されることが問題というよりは、下図のように、特定の領域において「負のインパクト」が集中しやすい傾向にあるのではないか?という問題があります。

特定の領域は物凄いスピードで成長しているにも関わらず、他の領域にシワ寄せが集まってしまうというケースで、別の言い方をすると「社会課題」などとよばれることもあります。

ソーシャルイノベーション

特定の領域にシワ寄せがいっているという場合にも、様々な解決策が考え得ます。

・例えば、やはり清廉潔癖な組織を規制や、ルールなどを持って作り出すべきだ。

・または、シワ寄せがいっている領域があるのであれば、そこの解決を促進する組織を様々なインセンティブなどで応援すべきだ。

後者についてはソーシャルイノベーションなどと呼ばれたりもしますが、SIAはビジネスを通じた社会課題の解決ということに力点をおいて、情報等を発信していければと思います。

関連領域にご関心をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。

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