Social Impact Act

2018年11月15日

世銀とGPIFが債券投資への環境・ 社会・ガバナンス (ESG)要素の統合に関する共同報告書を発表

最終更新: 2020年10月16日

世銀とGPIFの共同レポート

SIAの今井です。

SIAにおいても、ESGやインパクト投資はメイントピックの一つですが、先日、世界銀行と、GPIFが、「債券投資への環境・ 社会・ガバナンス (ESG)要素の統合」という共同レポートを発表しました。

「環境・社会・ガバナンス (ESG)の要素が、 債券投資家にとって重要な信用リスクであることを多くの研究が示している。 また、その実証結果は、 ESG の統合が財務的な利益の犠牲につながるとの見解を否定し、 むしろより安定した財務的な利益を得るために、包括的な信用リスク分析の一部として債券投資に ESG を統合すべきことを示唆している。 ESG 投資は、 グリーンボンドに限定さ れた特別 ・ 特殊な活動ではなく、 債券投資家にとっての一般的な投資プロセスとなりつつある。」

まさに、インパクト投資、SRIでの議論にもありますが、ESG投資が、社会的観点も考慮するため、財務的リターンが少なくてもいい投資ということではなく、財務的リターンをあげる為にも、ESGの要素を考慮することが重要な観点だという紹介は、ESG投資が今後も広く訴求されるかという観点で重要な要素になるように思います。

SRIなどにおいては、社会的責任を果たした社会にいい投資という名目のもとで、経済的リターンが低いことの隠れ蓑になっているという批判もあったと認識しています。

そもそも社会にいいとかということは、重層的で複雑な問題です、また、環境問題と人権問題どちらが重要かというようなことは、見る人の視点や考え方によるところも大きいわけです。

ESGの要素を考慮しているから、財務的リターンが少なくてもいいのではなく、ESGの要素を考慮しているから、持続的な成長を遂げるのだというロジックに基づき、特に長期投資期間の資金が流動していくという流れは、強まっていくモメンタムかと思量します。

ESG・SDGs要素と企業価値

別途、SDGs Insightなどにも一部公開していますが、企業において、ESGもそうですが、SDGsの取り組みを公表する企業が増えています。

ESGなどもそうなのですが、定義自体は広い為、どういった活動が、企業価値向上に繋がり、企業価値と社会価値を最大化する経営を実現できるのか?という観点では様々な文脈で調査・研究を実施しています。

最終的な因果関係の分析は難しい側面があるわけですが、特徴量や傾向などを推し量り、企業経営のインサイトとなることを目指しています。

ESGの要素を考慮しているから、持続的な成長を遂げるという研究は増えていますが、どういうケースや業界で、どういう観点や仕組みがうまく機能するのか?というのは、非常に興味深いテーマです。

引き続き、関連トピックについても紹介していきます。

#ESG #GPIF #SRI #世界銀行