効果が出た際に、それが、何が原因(因果関係)かを突き詰めることは重要です。その際に、「擬似相関」という考え方があります。SDGsやESGなどを推進する際に、疑似相関の考え方はベースラインとして認識すべきでしょう。
SIAの今井です。
データ解析、「測定」シリーズです。
経営における、ソーシャルインパクトや分析などについて興味をお持ちの方は関連記事も是非参照ください。
・「人工知能や機械学習は社会的インパクトマネジメントをいかに前進させるか〜World Bank David McKenzie〜」
・「社会的インパクト測定におけるBefore AfterとWith Without、RCTと産業連関表について」
・「ソーシャルインパクトにおける”擬相関”と”因果関係”シンプソンパラドックスとは?」
よくSDGsやCSRなどを推進すべきだ、なぜなら、〇〇だからだ、という議論を目にすることがあります。
※ブティックファームのLDLab Incでも関連領域について、大手企業~中小企業まで幅広く関連領域の支援も実施しています。
気をつけなくてはいけないと思うのが、ある企画や施策(例えば、それがCSRやESGの観点でのもの)を講じた際に、論理的にこういう効果が期待されるということと、実際にそういう効果が出たということは別ものです。
また、効果が出た際に、それが、何が原因かを突き詰めることは非常に重要です。
例えば、「売上があがった」という結果が出た際に、それは広告が機能したのか? 営業マンの努力か? そもそも景気が良かったのか?それぞれの貢献度は?という切り分けと、相互効果の分析です。
これらは、売上があがったという結果だけみても分かりません。
疑似相関に気をつける
よく疑似相関という言葉があります。
バッターの、「ホームラン数」と「三振数」に相関があったとしても、だからと言って、三振をすすめればいいというものでもありません。
素人でも三振は出来るようにはなりそうですが、それだけでは、一生ホームランバッターにはなれないでしょう。
そうした「ホームラン数」と「三振数」などの疑似相関に騙されない方法として、RCTなどの方法はよく活用されます。
また、時系列分析や、注目している要因Xをターゲット、交絡因子Zi(i = 1,2,...,p)を特徴量(説明変数)とする予測モデルを利用し「傾向スコア」を算出し、複数の交絡因子による選択バイアスを一つの変数に縮約させることで、因果関係の推論を行うなどの手法もあります。

大手のファームなどであればそういうことは少ないのですが(少なくともそうしたことは最低限認識しているがその上での話をしている)。
CSRの情報などの一部に、「CSRによって企業価値が向上した」のであれば素晴らしいことなのですが。
ただ、「その他の活動で企業価値が向上した」結果、CSRの活動を実施できているにも関わらず、CSRが企業価値を向上させる⇒だから企業は推進すべきだという文脈を平然とされている例なども散見されます。
これは、例えば時価総額が1兆円を超えた企業の特徴として「自社ビル」を持つ、ということを把握したからと言って、すべての企業に自社ビルを進めるのは違うのでは? ということと論理的には類似しています。
(別段、企業価値とは関係なく、企業として正しいことをやるべきというのは、別の議論として正当化されるべきでしょう。)
SDGsやESGなどの観点は実際に、企業価値を向上させるために活用可能ではありますが、こうした疑似相関の考え方はベースラインとして認識すべきトピックについて紹介しました。
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