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執筆者の写真Social Impact Act

【第一話】企業の社会的インパクトを如何に測定し公開していくべきか?

SIAの今井です。 何回かに分けて、社会的インパクト評価についてその方法や注意点、ポイントなどを公開していきます。 サステナビリティーやSDGs、ESGが声高に叫ばれる中、上場企業においても、いかにそうしたインパクトを測定し、可視化していくべきか?ということに疑問を持つ、担当者も多いのではないでしょうか? KI Strategyでは、実際に企業のご支援をしていく中で、単に評論家的な理想論ではなく、どのように非財務的な活動の効果を可視化し、最大化するための学習を回すことが出来るかについて企業の方々と検討してきました。 そうした中で、得られた知見や、よくある議論について、まとめていきます。 余裕で本一冊がかけるくらい深いテーマなので、第何話で、話がまとまるかは分かりませんが、つらつらと上げていきます。


まず、社会的インパクトの測定とか言っているけど、社会的インパクトとは何でしょうか? 簡単かどうかは別として、「企業が社会に及ぼす、短期的・中長期的な影響のこと」でしょう。(定義自体は可変ですが、これでも読者の人にはしっかりニュアンスは伝わるかと) ・最初のポイントとして、まず、社会的インパクトには「正のインパクト」もあれば「負のインパクト」もあります。 ⇒これだけいっても、いきなり哲学的な問いが発生しそうですよね、、「正のインパクト」って何?という問いです。 社会にいい影響を及ぼしているもののことだよ!と答えれば、それまでという気がしますが、「社会にいいってなんですか?」と 例えば、二酸化炭素排出を減らすというのは、温暖化という視点から見れば社会をよくする活動のような気もします。ただ、これですら、(私はそういう立場にたっていませんが)地球は長期的に寒冷化するという学者の意見もあるわけです。 寒冷化とかの主張はエビデンスや科学的根拠が薄いよ!という声が返ってきそうな気もしますが、そもそも、エビデンスや科学的根拠が薄い発言が許されない社会は、いい社会なのか?などの新しい問いも設計可能です。 ここで、私の結論です! 結局、社会にいいというのは、見る人の視点や時代によっても変化するもので“絶対的なもの”はない!という大前提です。 これは、非常に重要なポイントだと思っています。 というのは、こうした活動している人は、企業でいうと、CSRやサステナビリティー、ESGなどを専門にしていたり、社会課題に人一倍関心の高い人が担うことが多いからです。 社会課題に思い入れが強いあまり、“絶対に”これが社会的にいい事だ!という前提でのぞまれてしまうと、ちょっとまって、落ち着いてくださいと・・・議論がかみ合わなくなってきてしまいます。 まず、大前提は、社会にいいということに”絶対的なもの”はない!という姿勢です。 (厳密にいうと、”絶対的なもの”が”絶対的にない”というのは、絶対矛盾なので、例外はあり得ますが、基本スタンスとして、重要なポイントです)


ただ、こうした社会が、いい社会かどうかを議論することは可能です。 そのためのツールで有名なのが、無知のベールです。 無知のベールとは、社会厚生などを判定する際に、よく活用するツールです。 厚生経済学の一年目とかに習ったりするので、大学の専攻の人は読み飛ばしてもOKです。 簡単にいうと、自分が世の中のどの立場の方にも、生まれ変わる可能性があると仮定した時に、こんな社会や制度はいやかどうか判断するというものです。 奴隷制度を例に考えてみましょう。 奴隷制度といえば、悪の代表例でしょ、と思う人も多いでしょうし、実際そうでしょう。 ただし、それを雇い主の観点からすると、とても都合がよく、長い時間、奴隷制度はなくならなかったわけです。 そこで、例えば、無知のベールを活用すると、雇い主が、今この瞬間に生まれ変わったとして、奴隷に生まれる可能性があるわけです。 あたなは生まれ変わって奴隷になりたいですか?と問うのが無知のベールです。 いやです!と答える人が多ければ、その社会や制度は、肯定できないという考え方です。 「答える人が多ければ」・・・というコメントを書きました。 (こうやって、一つ一つ解説していると、いつまでも連載が終わらない気もしますが笑) この「答える人が多い」というのは、「単純多数決」というものの決め方で、現在の民主主義や、社会の方向性を決めるために、取られている代表的な手法です。 実は、多数決というのも、社会的インパクトを考える際に重要な概念なので、それは、第二段でこの続きをという形にします。

社会的インパクトの測定についての第一話でのポイント

社会的インパクトには「正のインパクト」もあれば「負のインパクト」もある ・ただし、絶対的に社会にいいというものは存在しえない ・絶対的なものはなくても、よくない社会かや解決すべき課題かを判断するツールとして”無知のベール”が有名

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