今回は、EVや脱炭素の動向における、企業の変革についてです。
サステナビリティーの定義を、仮に「いい社会」とした場合、EVの推進や脱炭素の動向が、「いい社会」に寄与するかは一旦、横に置ければと思います。誰にとっての「いい社会」かによって、変わってくるからです。
その一方で、EV化や脱炭素の動向により、日本の中小企業で影響を受ける企業が多いのは事実でしょう。
恐らく、5年ほど前から、それこそESG等が勃興し始めていたときから、積極的に推進したい一方で、自動車産業への影響という議論は古くて、新しい議論です。
正直、5年ほど前は、ここまで強い動向になるとは思っていませんでしたが、結果的にEV、脱炭素のグローバル動向は強力なベクトルとなっていることと思います。
例えば、自動車部品については、下記などはEV化で需要の縮小が見込まれる領域です
■エンジン系
エンジンブロック、シリンダーライナー、クランクシャフト、ピストン、ピス トンピン、ピストンリング、シリンダーヘッド、シリンダーヘッド・カバー、 シリンダーヘッド・ガスケット、V ベルト、フライホイール、ドライブプレー ト、リングギア、カムシャフト、ロッカーアーム、エンジンバルブ、バルブスプリング、バルブ シート、バルブガイド、バルブリフター、タイミングベルト、タイミングチェ ーン、タイミングクランクプーリー、タイミングカムプーリー、可変バルブタイミングユニット、可変バルブリフト機構、タイミングテンショナなどなど
■駆動伝達系
クラッチカバー、クラッチディスク、クラッチフェーシング、クラッチマス ターシリンダー、クラッチレリーズシリンダー、MT、MT シフトレバー、シフ トフォーク、シンクロナイザリング、AT、CVT、トルクコンバーター、AT シフ トレバー、AT コントロールケーブル、トランスファー などなど
挙げだすときりがない形かと思います
もちろん他方で、下記などは需要増が見込まれる領域の代表格です ・バッテリー関連(リチウムイオン、車載充電器、バッテリー部品などなど) ・モーター・インバーター関連 ・駆動関連 (EV用減速機) などなど そうした中、需要が減少する企業においては、トランジション(変革戦略)が求められています。変革戦略といっても、現状を変えないで、社会の流れに身を任せるというのも、一つの方針かもしれませんが、多くの企業では、複数のシナリオを精査しだしている状況かと思います 自動車業界などは分かりやすいですが、様々な企業で、脱炭素や、カーボンプライシング、サステナビリティー推進に伴う、変革戦略の立案に着手する企業が増えてきています。 TCFDなどで複数のシナリオに基づく、戦略立案の次年度として、トランジションに向けて、どのような企業ポートフォリオや、戦略を描くべきかという議論です。 弊社でも支援させてもらっていますが、こうした検討が、数十年後に翻った際に、価値のある取り組みになるためには、社会がどう変わるかという机上の予測ではなく、そもそもどうありたいか、という企業として目指すべき姿などの大上段の戦略と共に、複数の道筋で具体的にどこでビジネスを展開するべきかという、割と戦術的な議論も含め、同時に考えていく必要があるように思料します。
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