Social Impact Act

2017年3月2日

社会貢献×ビットコイン&ブロックチェーンの可能性

最終更新: 2020年8月6日

『ビットコインとブロックチェーン 〜暗号通貨を支える技術〜』

今回は、『ビットコインとブロックチェーン 〜暗号通貨を支える技術〜』という書籍を紹介します。

この書籍は、ビットコインとブロックチェーンの基礎から技術的側面についても紹介されています。

ソーシャルインパクトや社会的インパクト投資に、ビットコインは関係あるのか?と思われる方もいるかもしれません。

実際に海外では、慈善募金や海外送金、ソーシャルビジネスの取り組みにも、ビットコインやブロックチェーンのテクノロジーを用いた数多くの取り組みが出てきています。

それは、ビットコインが他の貨幣通過に比べ、送金コストが安いこと。また政府の中央銀行のような中央集権型の信用担保の仕組みではないため、比較的に政府の信用力が低い途上国の方がより、親和性が高いとも考えられます。

ソーシャルインパクト領域に関わる方も、実際に手に取ってみてはいかがでしょうか?

ビットコインとは?

ビットコインとは、デジタルマネーのエコシステムの基礎となるコンセプトと技術の集合体のことです。

ビットコインという名前の通貨によって、ビットコインネットワーク参加者間での、価値の保存と移転が行われます。

従来の通貨で行うことができるほぼ全てのこと、売買や送金、融資等を行うことが可能です。

コインは送信者から受信者へある一定量の額面を移動させるという取引(トランザクション)の中に記録されるものです。

ビットコインユーザーはこの取引(トランザクション)を証明する鍵を所有し、その取引(トランザクション)に記録された額面を使用したり、送金することができます。

この鍵は、多くの場合、コンピュータ上の電子財布(ウォレット)に保持されます。

もう一つの特徴は、日銀のような「中央」サーバーや管理者が存在しないということです。(PtPシステム)途上国のように国そのものが信用できない場合は、代替手段としてビットコインが注目されます。

ビットコインは「マイニング」と呼ばれるプロセスにより新たに生み出されます。これは、ビットコインの取引の過程で行われる、数学的な問題の解を見つけだす競争で、誰でも参加できます。

ビットコインは、2008年に”Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”というサトシ・ナカモト名義の論文もととなっています。

ビットコインとブロックチェーンは慈善募金などに、ビットコインを用いる取り組みや、本Webでも紹介した、ガーナの土地所有の問題に挑戦する社会的企業のMedeemなどもブロックチェーンのテクノロジーを活用しています。

ガーナの土地所有の問題に挑戦する社会的企業

社会的インパクトやソーシャルインパクトを意図した活動を見ていくとき、これらのテクノロジーの理解は前提となってくるかもしれません。


 
また、関連領域として
 

SOCAP17 において「How Blockchain will Change the Way We Invest for Impact」という議題のセッションがもうけられました。

SOCAPについては「社会的投資カンファレンス〜SOCAP16〜」等を参照ください。

またセッションの内容は公開されていますので、ご関心をお持ちの方は閲覧してみてください。

ブロックチェーンに限らず、テクノロジーは社会を推し進めてきましたが、ブロックチェーンのテクノロジーを活用した最たる例が、ビットコインです。

実際に海外では、慈善募金や海外送金、ソーシャルビジネスの取り組みにも、ビットコインやブロックチェーンのテクノロジーを用いた数多くの取り組みが出てきています。

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンには様々な特性がありますが、その中に「情報の改ざんリスクが極めて低い」ということがあげられます。

その特性を活かして、例えば、オーガニック食品の認証をブロックチェーンに情報を記録することで、偽物のオーガニック商品や流通防止や、偽物のダイヤモンドや違法な流通を防止できるのではないか?と期待されています。

実際には、記録された情報の正確性だけではなく、その情報を記録する人がそもそも嘘をついていないか?などテクノロジー以外にも越えるべき課題はいくつかありますが、ブロックチェーンの可能性についてSOCAPでも紹介されています。

また、国際開発や国際協力関連領域では、例えば、その情報改ざんリスクが低いという特性を利用し、難民や移民の個人情報の記録などにもブロックチェーンの活用が模索されています。

特に、途上国などにおいて、情報の信頼性などが、社会に及ぼす負の連鎖として、経済学ではよく、【レモンの原理】 などと呼ばれますが、そうした問題の改善にもテクノロジーが活用されることが期待されます。

※レモンの原理

中古車市場で、外見からはわからない欠陥車(レモン)と優良車(ピーチ)が混在していると、買い手が高い金額で欠陥車を買うことを恐れ、欠陥車に相当する金額しか払わなくなるため、市場に優良車を出す売り手がいなくなるというもの
 

 

 
今回は、『ビットコインとブロックチェーン 〜暗号通貨を支える技術〜』という書籍と化関連領域のトピックを紹介しました。

#BOPビジネス #アフリカ #ソーシャルインパクト #ビジネス #発展途上国 #社会的企業 #開発経済