『経済は格付けで動く』
今回は、格付けの基礎となる知識を記載している、『経済は格付けで動く』という書籍の内容を紹介します。
社会的インパクト投資や広くソーシャルファイナンスも、様々な要因がありますが、リーマンショック等の経済危機も契機となり、より注目を浴びたという背景があります。
経済がどのように動いていくのかということを決定する一つのファクターが格付けです。また、ソーシャルビジネスなどへの資金が提供される際にも、一つの基準となるのが格付けです。
この領域について興味をお持ちの方は是非、一度手にとってみてはいかがでしょうか?
信用格付け(credit rating)とは?
信用格付け(credit rating)とは、債券の発行者の返済能力を簡素な記号で表し、投資家にリスク情報を伝えるものです。
格付けは、元本と金利の支払いが契約通り行われない債務不履行(デフォルト)が起こる可能性を示しています。
例えば、長期債(返済期間が一年以上の債券に対する格付け)
S&P、R&I、JCR返済確率が高い順の記号()はムーディーズの記号
AAA(Aaa)、AA(Aa)、A(A)、BBB(Baa)、BB(Ba)、B(B)、CCC(Caa)、CC(Ca)、C(C)、D(該当なし、R&Iも)
BBB(Baa)以上であれば「投資適格」とされ、BB(Ba)以下なら「投機的」とされます。
ソブリン格付けとは?
よく耳にするソブリン格付けとは、ソブリン(Sovereign):「主権を有する」「独立国の」という意味を持つ単語です。
ソブリン債とは、外貨建て国債、自国通貨建て国際などの総称で、それらのデフォルトリスクを示すのがソブリン格付けです。
ソブリン格付けは、その国の民間企業が外貨建て社債を発行するときの上限格付けとなると考えられており(カントリーシリング、ソブリンシーリング)、非常な重要な意味を持ちます。
ソブリン格付けを決める定量的要員としては、「マクロ経済」「中央政府の財政」「国際収支」「対外債務」などで決められます。
格付け会社とは?
信用格付けの起源は、1909年にジョンムーディーがニューヨークではじめた事業にさかのぼると言われています。
本書によれば、世界には約112の格付け会社が存在しているそうです。
返済能力の情報を販売するというビジネスモデルです。
格付けには、依頼格付けと勝手格付けがあります。
日本が格付け制度を本格的に導入したのは、1984年で日米円ドル員会が契機となりました。
企業の資金調達の手段の一つとして、社債がありますが、金融技術が発達していない国では、借り手の信用度を貸し手が判断が難しいため、社債市場を作ることができません。
格付け会社の本来の目的は借り手の返済能力を予測し、それを投資家に情報として伝えることで、「情報の非対称性」を解消するインフラとしての機能が求められます。
今回は、社会的投資などにも影響を及ぼす格付けの基礎となる知識を記載している、『経済は格付けで動く』という書籍の内容を紹介しました。
引き続き、社会的インパクを意図した企業や取り組みについて紹介していきます。
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