INSIGHTS· ESG & IR

取引先からカーボンニュートラル・ESG対応を求められたら|四つの世界観

取引先や顧客からカーボンニュートラルやESG・SDGs対応を求められ、対応に苦慮する中堅・中小企業の担当者向け。まず対応すべきかを「四つの世界観」と時間軸で見極め、本質的な対応と表面的な対応を切り分ける実務ステップを整理します。

カーボンニュートラルやESG SDGS対応を顧客
FIG. 01 / カーボンニュートラルやESG SDGS対応を顧客PHOTOGRAPHY / ARCHIVE

今後のテーマは、主にBtB企業を対象として、カーボンニュートラルやESG・SDGs対応を顧客から求められた際の対応方法についてです。

昨今、特に上場企業については、ESG投資家からの要請を受け、取引先に対しても、脱炭素やESGの対応を求める場合が増えてきています(サプライヤー脱炭素要請の四つの世界観CSDDD適用範囲外でも準備が要る理由も参照)。

要請を受けた企業からするとどうしよう?ということで、対応に苦慮されている企業も多いではないでしょうか?

そうした担当者向けの記事となります。

まず、第一に必ず対応しましょう!ということではなく、

対応する意義や意味を把握してからということになるかと思います。

その際に、どのような未来を想定するかによって打ち手が変わってきます。

一旦、カーボンニュートラルを例にしますが、他のESGやサステナビリティー課題も同様の考え方で検討することも可能です

Step1 想定する世界観を見極める

以下の四つの世界観を想定することが可能です

・カーボンニュートラルの対応をしても、しなくても企業の取引行動にあまり変化がない世界感

・カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動に差がでてくる世界観

・カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動の前提になる世界観

・カーボンニュートラルの対応をしない方が企業の取引行動にプラスとなる世界観

四つの世界観があるうち、カーボンニュートラルを対応しなくても構わないではなく、二酸化炭素を多く出した方が、むしろプラスになる世界観も、”論理的”にはあり得ます。

具体的には、寒冷化などの場合に、どんどん二酸化炭素だしていきましょうという可能性はゼロではないかと思いますが、削減するより出す方が対策は容易なため、今回は、いったん除外として取りあつかいします。

Step2 想定する世界観から対応・未対応により生じるインパクトを想定する

それぞれの世界観の中で、企業として対応を実施するかしないかによって、企業の想定される状況をプロットしたのが下記の図となります。

まず、「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動の前提になる世界観」を持たれている企業には悩みは少ないかもしれません、対応しなくてはいけなくなるので、具体的に何をやるか?ということにフォーカスできるからです

問題は、 「カーボンニュートラルの対応をしてもしなくても企業の取引行動にあまり変化がない世界感」 や 「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動に差がでてくる世界観」

を想定した際にどのような戦略をとっていくか?ということになるかと思われます

Step3 世界観と経営への影響の時間軸を想定する

ここで重要となるのは、時間軸です、例えば、「カーボンニュートラルの対応をしてもしなくても企業の取引行動にあまり変化がない世界感」を想定していたとしても、将来的には、「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動に差がでてくる世界観」になると考えている企業もあるかもしれません。

であるならば、今から対策を検討するアクションが正しくなる可能性もあるためです。 また、どの程度のスピード感を持って対応していくかも、この時間軸の想定は重要です。

Step4 具体的な戦略とアクションを検討する

世界観や想定されるインパクトが想定できたら、初めて戦略やアクションを検討していくことになります。

ここでは、例えば、「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動に差がでてくる世界観」を持たれている企業を想定してみたとしましょう。

差が出てくることを想定するなら対応すれば?となるかもしれませんが一回立ち止まることも可能です。

製造業企業で企業の取引先を決定する際に、例え、カーボンニュートラルの対応有無で「差が出た」としても、どうしても必要な技術や製品を提供している場合、選択し続けられる可能性も容易に想像されます。

その場合、カーボンニュートラル対応に目もくれず、技術や製品を徹底的に磨き込むということも一つの経営戦略です。一方で、もしも、「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動の前提になる世界観」になった場合、厳しい経営を強いられることになるかもしれませんが、それがまさに経営判断となるわけです。

逆に「カーボンニュートラルの対応が企業の取引行動に差がでてくる世界観」を想定しているのにも関わらず、対応もせず、対応しないが何処で競争優位を確立するかも方針が立てられていないのだとすると、カーボンニュートラル関係なく、衰退していく可能性が高いように思われます

今回は取引先企業に、カーボンニュートラル対応を求められた際の、検討ステップを例示させて貰いました、参考にしてもらればと思います

番外編 対応策の具体化

今回は、発散を防ぐため、具体的な対応策については、触れていませんが、対策の方針としては、大きく二つに分かれるかと思われます

・本質的な対応

・表面的な対応

こちらも想定する世界観などによってもどうすべきかは変わってきます。

また、取引先からの要請への対応方針づくりで伴走支援が必要な場合はKI Strategyへ、まず専門家に都度相談したいという段階であれば、定額制で使えるSaslaもご活用ください。採用するほどではないが、専門家の知見を手元に置きたい中堅・中小企業に向いています。

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KI Strategy 編集部所属。ESG・サステナビリティを軸に、開示と意思決定を貫くロジックを編む。

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