国連責任投資原則(PRI)とは
2017年3月21日に日本生命が国連責任投資原則(PRI)に著名し、新中期経営計画(2017-2020)にて、ESG 債等への投融資 2,000 億円の数量目標設定しました。
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比較的新しいニュースですが、国連責任投資原則(PRI)自体は、2006年にアナン元国連事務総長時代に公表されたものです。
PRIとは
1. 私たちは投資分析と意思決定プロセスにESGの課題を組み込みます。
2. 私たちは活動的な株式所有者となり、株式の所有方針と所有習慣にESG問題を組込みます。
3. 私たちは投資対象に対してESG問題について適切な開示を求めます。
4. 私たちは資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行います。
5. 私たちは本原則を実行する際の効果を高めるために協働します。
6. 私たちは本原則の実行に関する活動状況や進歩状況に関して報告します。
機関投資家が環境・社会・ガバナンス(ESG)の課題を投資の意思決定に組み込み、長期的な投資リターンを向上させることを目的とした原則です。
国連責任投資原則(PRI)と似た用語として、SRI(社会的責任投資)というものがあります。
SRI(社会的責任投資)は、第一世代のSRI〜第三世代のSRIなど分類されることもありますが、SRIの進展と、その弊害(低リターンの隠れ蓑)などの批判などによる、より戻しなどの歴史的背景からも、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資がより注目される一因ともなってきました。
国連責任投資原則(PRI)とは
2016年には、PRIが、株式投資において、ESGの観点を取り入れた運用手法(ESGインテグレーション)の具体的な手法について、ガイドブックを発表しています。
これは、投資において、ESGや、昨今ではSDGsの観点などの導入に向けたガイドラインですが、その思想や具体的な手法は、他の分野にも参考になりえます。
運用手法(ESGインテグレーション)戦略としては、下記の4つの戦略にまとめています。
「ファンダメンタル戦略」:財務予想モデルにESG要素は折り込む
「クオンツ戦略」:ファクターモデルにESG要素をファクターとして用いる
「スマート・ベータ戦略」:ポートフォリオ構築の際にESG要素を用いてウェイトを修正
「パッシブ戦略」:ESG要素を取り入れたパッシブ運用を行う
※先日の「世銀(IBRD)がSDGs達成連動型債券の発行」などは、パッシブ戦略に近いものです。
ESG要素の組み入れなどには、適切なクローリングや人工知能テクノロジーの活用なども期待されています。
今回は、SDGsやESG関連でよく登場する、国連責任投資原則(PRI)と関連トピックについて紹介しました。
引き続き、関連事項を紹介していきます。
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