アメリカのSOCAPは、2008年以降、ソーシャルインパクトを意識した活動に対して投資を行いたい投資家、社会起業家や各界のリーダーを繋げるためのプラットフォーム作りを目指しています。
SOCAP(Social Capital Markets Conference)は毎年開催されており、セミナーの内容は公開されています。
今回は、「SOCAP17 - The Rise of Impact Seed Funds」に登壇したインパクト投資機関、Urban Innovation Fund、Reach capital、Impact Engine、Kapor Capitalを紹介します。
Urban Innovation Fund
Urban Innovation Fundは、「Investing in the future of cities」を掲げ、シード期の都市の問題に挑戦するスタートアップに投資を行っています。
都市問題にフォーカスする理由として、アメリカでは既に、国民の81%が都市に住み、2050年までには、世界の人口の3分の2が都市に住むと予想されており、今後、都市の問題をいかにイノベーションにより解決するかが重要になるとの認識に立っています。
投資領域は、交通、住宅、エネルギーなどにフォーカスを当てています。
ラストマイル自動運転のudelvなどにも投資を行っています。
Reach capital
Reach capitalは、「Closing the Opportunity Gap」を掲げ、機会の平等を目指し、教育系のスタートアップにフォーカスして投資を行っています。
投資先企業としては、ClassDojoなどの教師と保護者、生徒をつなぐプラットフォーム提供企業
また、子供向けの絵本や図鑑などを提供するEpicなどがあります。
Impact Engine
Impact Engineは、シカゴをベースとし、教育や健康、金融などの領域に投資を行うインパクト投資機関です。
投資先企業として、BookNookなどがあります。
基礎的な読解力を構築するプラットフォームを提供しており、既出のUrban Innovation Fund、Reach capitalや、次に紹介するKapor Capitalからも投資を受けているスタートアップ企業です
Kapor Capital
Kapor Capitalは、オークランドなどで活動するインパクト投資機関です。
投資先企業として、上場した、システム開発者向けのコミュニケーションプラットフォームを提供する、Twilioなど幅広い企業に投資を行っています。
今回は、アメリカで活躍するインパクト投資機関について紹介しましたが、エコシステムとしてインパクト投資が行われているという印象を強く受けるものです。
今回紹介した、インパクト投資企業はそれぞれ別々ですが、投資先のベンチャー企業は、共通しているところが多く、社会的企業が、一社のインパクト投資だけを相手にすると、投資された金額よりも、インパクトのエビデンスなど、情報開示や投資家対応にむしろコストが高くなるなどの懸念はかねてよりありましたが、複数のインパクト投資機関から投資を受けることで、結果大きな資金が集まることで、緩和されていると考えられます。
引き続き、インパクト投資に関連するトピックについても紹介していきます。
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