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コレクティブインパクト〜途上国(BOP)ビジネスの現場から〜

最終更新: 2019年7月3日


『世界一大きな問題のシンプルな解き方

〜私が貧困解決の現場で学んだこと〜』

今回は、『世界一大きな問題のシンプルな解き方〜私が貧困解決の現場で学んだこと〜』という書籍を紹介します。

この書籍は、iDEの創業者である、Paul Polakが発展途上国の貧困現場でまさに、BOPビジネスを長らく続けていく中で学んだことが中心に紹介されています。


昨今では、立場の異なる組織(行政、企業、NPO、財団、社会起業家、メディアなど)が組織の壁を越えてお互いの強みを出し合い社会的課題の解決を目指すアプローチのとして、「コレクティブ・インパクト」という概念が注目されています。

「コレクティブ・インパクト」は2011年にJohn KaniaとMark Kramaerがスタンフォードイノベーションレビューで唱えた定義ですが、そのかなり前から途上国ビジネスに取り組まれている、Paul Polakが現場で学んだことが記されています。

途上国の開発や、国際機関での援助やBOPビジネスに興味がある方は実際に手に取られてみてはいかがでしょうか?

世界一大きな問題のシンプルな解き方――私が貧困解決の現場で学んだこと

〜貧困解決の現場で学んだ4つのポイントと3つの誤解〜

貧困解決でのビジネスを実施している中で、学んだポイントと誤解は下記だと、Paul Polakは言います。

【学んだこと】

①貧しい人達が貧困状態にある最大の理由は十分なお金を持っていないということ。

②世界で極度に貧しい人たちのほとんどは、1エーカーの農場から収入を得ているということ。

③高付加価値で労働集約的な作物を育てる方法がわかれば、貧しい農民たちはもっとお金を稼げるということ。(例えば、シーズンオフの果物や野菜を育てる)

④そのためには、非常に安価な灌漑装置、良い種子と肥料を手に入れる必要があるということ。利益の出る価格で作物を売れる市場にもアクセス出来なければならないということ。

【よくある誤解】

誤解1 寄付によって人々を貧困から救い出せる

誤解2 国家の経済成長が貧困をなくす

誤解3 大企業が貧困をなくす

ソーシャルイノベーションを目指す〜iDEの取り組み〜

Paul Polakは、問題は、プロダクトデザイナーの90%が世界の顧客の中で最も裕福な10%の人々の為に、彼らが抱える問題の解決策の発見に全力をあげていることだと言います。

著者のPaul Polakが設立した、IDEでは、数十年前に、難民となった鍛冶屋と協力してロバの荷車を500台作り、他の難民に販売するということをソマリアで開始したのが始まりでした。

その後、初めから貧困層に特化(デザイン)する形で、1日1ドルの農家に対して、すでに200万台以上の足踏みポンプを販売しています。

その他にも、下記等のソリューションを提供しています。

興味のある方は、是非、iDEのホームページをご覧ください。

・改良型足踏みポンプ

・ロープとワッシャーのモーター式ポンプ(足踏みポンプ以上の深さから水を汲み上げ可能)

・低価格井戸掘削ツール(ドイツのプラクティカなどが開発)

・1000~30万リットルの様々な密封型貯水システム

・大型チューブ貯水ソリューション(長さ10メートル、直径1メートルの二重ビニール・チューブ)

途上国の多くで、トマトがもっとも高くなるのが、モンスーン期と言われています。湿度が高く、カビや病気が発生して育ちにくくなるからです。アジア野菜研究開発センター(AVRDC)では、小規模農家がモンスーン期にトマトを育てて利益を上げられる手法を開発しました。

室温などを管理した温室の中で病気に強いナスの台木にトマトの枝を接木します。その苗木を揚げ床に植え、ビニールの雨よけで覆い、雨が揚げ床の間の溝に落ちるようにする。そして開花時期にホルモンスプレーをかけ、花を結実させるというものです。

本書では、その他にも、途上国における貧困層向けのソリューションを幅広く紹介しています。

今回は、『世界一大きな問題のシンプルな解き方〜私が貧困解決の現場で学んだこと〜』とiDEの取り組みについて紹介しました。

引き続き、社会的インパクトを意図した取り組みを行う企業や、関連事項を紹介していきます。

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