INSIGHTS· SOCIAL IMPACT

アジアを代表するソーシャルインパクト投資機関

アジアを代表するソーシャルインパクト投資機関であるインドのTECHNOSERVE。設立者が家族でガーナに旅行に行ったことが契機となり、1968年に設立。ケニア、タンザニア、モザンビーク、ルワンダ、ウガンダ、タンザニア、チリなどで活動

アジアを代表するソーシャルインパクト投資機関
FIG. 01 / アジアを代表するソーシャルインパクト投資機関PHOTOGRAPHY / ARCHIVE

インドのTECHNOSERVEという社会的投資機関を紹介します。

TECHNOSERVEの活動は長きに渡り、その歴史は1963年に遡ります。設立者のEd Bullardが家族でガーナのAdidomeに旅行に行ったことが契機となり、1968年に設立された団体です。

現在では、インドをはじめとして、アフリカ、南米、アジアなどの29カ国で、主に農家の所得向上に向けた取り組みを行っています。

取り組み事例:CONNECTED FARMER ALLIANCE

ケニア、タンザニア、モザンビークでは**「CONNECTED FARMER ALLIANCE(CFA)」**というプロジェクトを推進しています。

この取り組みは、TECHNOSERVEと、USAID、Vodafoneが共同で進めるプロジェクトです。農業に関するテクノロジーやマーケットなどの各種情報を、モバイルを用いて発展途上国の農家がアクセスできることを目指しています。各種情報を武器として、途上国農家の人々が、結果的に、所得を向上を活動の目的に据えています。

発展途上国の農家向けのソリューションは、CFA以外にも沢山存在しており、中には全く普及しなかったものも数多くあります。

その中で、長年にわたり、農家との関係や実地活動を築き上げてきた、TECHNOSERVEが関わることが競争優位の源泉と言えるかもしれません。現在では、500000農家以上がこのプラットフォームを利用するまでに拡大してきています。

取り組み事例:Strengthening Rural Youth Development through Enterprise (STRYDE) program

「Strengthening Rural Youth Development through Enterprise (STRYDE) program 」はケニア、ルワンダ、ウガンダなどの、東アフリカで、マスターカードと共同で、18~30歳をターゲットにした、経済・ビジネス教育プログラムです。

このプログラムを通じて、発展途上国の若者の所得の向上や貯蓄率の向上をミッションとしています。

2019年の7月まで継続されるこのプロジェクトですが、現在の実績として、15552人の卒業生を輩出しており、平均133%所得が向上しているという結果が公表されております。※1(物価上昇率や為替レート、経済成長率等を加味しているかは不明です)

また、今後、東アフリカのタンザニアなどでも、このプロジェクトの実施が企画されており、実施する地域も拡大しています。

アフリカ地域においては、日本もいわゆる「KAIZEN」セミナーなどの普及につとめており、STRYDEの活動や活動の広げ方、広報活動などは参考にできることが多いかもしれません。

取り組み事例:Impulsa Tu Empresa

**「Impulsa Tu Empresa」**は、2014年にMetLife Foundationが設立した、チリで提供されはじめた、マイクロファイナンス機関です。

チリではマイクロファイナンスは定着しないという議論もあり、Impulsa Tu Empresaの成長がどこまで続くのかは、多くの社会起業家やマイクロファイナンスに関わるプレイヤーの注目を集めています。

TECHNOSERVEは、Impulsa Tu Empresaに対して、成長が見込める中小企業の紹介や、ビジネスモデルの構築支援など、幅広い分野で協力していいます。

Social Enterprise Finance Australia (SEFA):オーストラリア

次に、オーストラリアの社会的投資機関のSEFAを紹介します。

Social Enterprise Finance Australia (SEFA)は、2011年に設立された比較的新しい団体で、オーストラリアのSocial Enterprise Development and Investment Fund (SEDIF)からも支援を受けるなど、幅広い領域で活動しています。

SEFAは、社会的なインパクトを意識したオーストラリアにおける住宅、コミュニティー、健康、自然などの領域の活動や事業に投資・サポートを行っています。

以下、SEFAがサポートしている企業や取組みの抜粋です。

支援先の企業の中には、オーストラリアならではの、先住民向けのソーシャルビジネスなど、幅広い領域への投資が特徴的です。

【Housing】

Myrtle Park:リタイア後の高齢者用の住宅を、社会的インパクトを目的にオーストラリアのTasamaniaで35年近く運営。

Sustain Housing:障害者向けのソーシャルハウジングや金融サービスの提供。

Habitat for Humanity Victoria:低所得者向けの住居提供。Victoriaの他に、South Australiaでも事業展開。

【Community】

Howrah Bowls Club:高齢者向けのスポーツクラブの運営。

Sandbag Nursery:オーガニックを使った、地域のコミュニティーに根ざしたカフェの運営。

【Indigenous】

Three Sistas:オーストラリアの先住民向けの職業訓練や生活支援事業を展開。

MiHaven:オーストラリアの先住民向けの職業訓練を展開、オーストラリア政府やクイーンズランド州の文科省も設立に関与しています。

【Disability/Health】

Lifestyle Solutions:2001年に設立された、高度の自閉症の子供向けサポート事業を展開。

CC Arafmi:35年以上の運営実績のある、精神病患者とその家族のサポート事業を展開。

【Environment】

Food Connect:環境に配慮された、季節の新鮮な植物を産地から直接、消費者に届けるサービスを提供。

【Other】

Team Wild:「Story for impact」を掲げ、社会的課題の解決に向けた取組みなどのムービーを作成、ワークショップ企画、イベント企画、web作成等を実施

Sandridge School:コアバリューにソーシャルインパクトを掲げ、先生がファウンダーとなり、2016年に設立された新しい形の学校。

Social Investors Club:香港

次は、香港の社会的投資機関のSocial Investors Clubです。

Social Investors Clubは、2015年に社会的インパクトを意図する起業家やビジネスを支援するために、香港で設立されました。

投資先企業の抜粋は下記となります。 重点的な投資領域として掲げているのは貧困、雇用問題、環境、教育、高齢化、健康などですが、公表されている投資先としても、いわゆるフェアトレード関係の会社から、ハード、教育の会社まで、幅広く投資を行っています。

Fair Taste:Fair Taste社は香港を拠点にした、香港・中国では初のフェアトレードブランド会社

Maker Bay:Maker Bay社は、ロボット会社から、環境NGOやテック好きの個人までをカバーした、社会的課題の解決に向けた、プロダクト作成のためのマーケットプレースを運営

laviolet:laviolet社は、演劇や音楽、リーダッシップ教育など、伝統的な知識だけではなく、感覚的な部分の教育に力を入れた教育サービスを提供 ※下記laviolet社の動画となります。

今回はアジアの社会的インパクト投資機関を紹介しました。 こうした企業を取り上げて欲しい、もしくは調査して欲しいなどのリクエストも大歓迎です!

参考URL

※1 http://www.technoserve.org/our-work/projects/stryde

※2http://impactinvestingaustralia.com/wp-content/uploads/Case-Study-Sustain-Community-Housing.pdf

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