検索
  • Social Impact Act

アフリカにおける農業生産性向上の取り組み~BOPビジネス~

最終更新: 2019年7月3日


『地球白書 ワールドウオッチ研究所』

今回は、ワールドウオッチ研究所から出版された、アフリカの農業生産性向上の取り組み事例について紹介します。


ガンビア川 TRY女性カキ業業者組合

総勢6000人近い、TRY女性カキ業業者組合では、カキの漁業量の適切な調整で、生産量の向上、またホテルやレストラン向け市場拡大や、マングローブ林の保全活動を行なっています。

当初は、バンジェールの一つの村の14名のジェラ族から始まったこの団体は、現在は、バンジェールからその郊外に団体の規模を拡大しています。

食料生産の取り組みとして今までは「高収量品種の種子」「灌漑用施設」「化学肥料」といった解決策が取られることが主でした。実は、世界のカロリーの15%、またタンパク質の1/3は魚介類から摂取されています。

アフリカ地域の農林水産領域の生産性向上の際には、穀物増産ばかりに着目するのではなく、水産資源へのフォーカスも必要だとしています。

アフリカ農業の生産性向上への提案

農家の所得向上には二つの戦略の組み合わせが重要だとしています。

・対干性や収量に優れた種苗が、短期的に収入を増加

・地力の増進や水資源の確保が、長期的な収入の増加

種子のR&D(研究開発)

短期的な収入の増加にもつながりやすい、種子のR&D(研究開発)は非常に重要です。病原虫に抵抗があり、傷つきにくい、タンザニアの新品種、AVRDCの「タニャ」と「エンゲル九七」は、トマト農家の純益を40%増加させるなど、大きな影響を及ぼしています。

地力の増進

また、アフリカにおいて、地力の低下の問題は深刻です。アフリカのほぼ全域で、作物は降水量の15~30%しか吸収できていなく、劣化の著しい耕地では5%程度しか吸収できていません。

そのため、マネーメーカーやモシオトゥニャなどの人力のペダル式ポンプの利用率が高く、灌漑ソリューションについてのコストを含めた革新が求められています。

実際に、安価なマイクロ灌漑ソリューションである、バケツ灌漑によって、ガーナの灌漑面積は倍増したという調査結果も出ています。 

土壌劣化対策としては、「化学肥料補助金」「排泄物活用」「堆肥」「緑肥、被覆作物」などが考えられます。

その中で、短期的でなおかつ低コストで実施できる、地力の改善と雑草防除を目的として農家が多種多様な作物を利用する農法の「緑肥、被覆作物の活用」が一番効果的なのではないかと本書では、提案がなされています。

「緑肥、被覆作物」についても、教育コストがかかるなどの批判もありますが、実際に、「緑肥、被覆作物」を活用し、平均の3倍近く、年間1ヘクタールあたり、二トンものキビを収穫するドゴン族のような事例もあり、非常に効果的な手法だとしています。

また、合わせて、農業生態学に基づいた、アグロエコロジカル農法としては、「有機農業」「アグロフォレストリー」「環境保全型農業」「エバーグリーン農業」の四つの施策も持続的な農業の発展のためには必要です。

1エーカー基金の取り組み

1エーカー基金は、基金のプログラムに参加した農家を、6~13人の農業者のグループに仲間入りさせます。グループのメンバーが保証人となって、種子と肥料の現物融資と研修サービスを行うことで、アフリカにおける緑の革命を目指しています。

1エーカー基金は、農家が種子と肥料を必要としていることを痛感していました。そのため、購入するための融資、使い方の教育、売るための市場へのアクセスを包括的にサポートすることで、農家の所得向上につなげています。(融資の返済率としても、96%を越える取り組みとなっています)

今回は、アフリカの農業生産性向上に向けた具体的な提案について紹介しました。引き続き世界の社会的インパクトに関連した活動を行う企業とその取組を紹介していきます。



#アフリカ #マイクロファイナンス #国際協力 #ガンビア #ソーシャルインパクト #ビジネス #BOPビジネス #ソーシャルファイナンス

メルマガ登録はこちら