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英語が通じるアフリカの国とは|公用語の22ヶ国を地域別に整理

アフリカで英語が公用語の国は西・東・南部に広く分布し、主要22ヶ国に及ぶ。ナイジェリア、ガーナ、ケニア、南アフリカなどを地域別に整理し、エチオピアのように公用語ではないが教育・ビジネスで英語が使われる国の通用度まで踏み込んで解説する。

英語が通じるアフリカの国 地域別整理
FIG. 01 / 英語が通じるアフリカの国 地域別整理PHOTOGRAPHY / ARCHIVE

アフリカで英語が通じる国はどこか――この問いは、進出を検討する企業、現地調査に向かう研究者、ボランティアや旅行者まで、多くの場面で繰り返される。本記事では、英語を公用語として採用する主要22ヶ国を西・東・南部の地域別に整理したうえで、エチオピアのように公用語ではないものの実務で英語が広く使われる国まで踏み込んで紹介する。

アフリカで英語が通じる国

アフリカ大陸の言語事情と英語の位置づけ

アフリカ大陸では、Ethnologue(2024年版)によれば約2,000を超える言語が使われている。アフリカ連合(AU)の加盟国数は55であり、その多くが旧英・仏・葡領としての歴史を持つため、独立後も植民地時代の言語を公用語または準公用語として残してきた。英語はその中でも最も広範囲に分布し、人口規模としても英語使用人口は数億人に及ぶ。

ただし「英語が公用語である」ことと「街中で実際に英語が通じる」ことは別の問題である。本記事ではまず公用語ベースの国別整理を行い、最後に都市部とローカルでの通用度の違いまで触れる。

英語が公用語のアフリカ22ヶ国(地域別)

西アフリカ(6ヶ国)

公用語の状況
ナイジェリア英語(事実上の共通語、200を超える現地語が併存)
ガーナ英語のみ
リベリア英語のみ(米国系移民が建国した歴史的背景)
シエラレオネ英語のみ
ガンビア英語のみ
カメルーン英語・フランス語(北西部・南西部が英語圏)

西アフリカではナイジェリアの存在感が圧倒的で、人口2.2億人を超える同国は英語使用人口でもアフリカ最大級である。ただし日常会話では「ナイジェリアン・ピジン」と呼ばれる土着英語が広く使われており、ビジネス英語との距離があることは現地進出時に踏まえておきたい。

東アフリカ(5ヶ国)

公用語の状況
ケニア英語・スワヒリ語
ウガンダ英語・スワヒリ語
タンザニアスワヒリ語・英語(小学校はスワヒリ、中等以上が英語)
ルワンダキニアルワンダ語・英語・フランス語・スワヒリ語
南スーダン英語(2011年独立時に採用)

ルワンダは2003年に英語を公用語化し、2008年には初等教育の指導言語をフランス語から英語へ全面切り替えた。東アフリカ共同体(EAC)との経済統合を見据えた政策的選択であり、現地での英語使用率は近年急速に上昇している。

南部アフリカ(8ヶ国)

公用語の状況
南アフリカ英語ほか計12言語(2023年に手話を追加)
ジンバブエ英語ほか計16言語
ザンビア英語のみ
マラウイ英語・チェワ語
ボツワナ英語・ツワナ語
ナミビア英語のみ
レソト英語・セソト語
エスワティニ英語・スワティ語

南部アフリカは英語通用度が最も高い地域である。エスワティニは2018年4月19日に旧国名「スワジランド」から正式に改称された点に留意したい。古い文献や旅行ガイドでは旧名のまま残っているケースが多い。

北東アフリカ・島嶼(3ヶ国)

公用語の状況
スーダンアラビア語・英語(2005年暫定憲法以降)
モーリシャス法的な公用語規定はなく、議会・行政の事実上の運用言語は英語、日常はクレオール語
セーシェル英語・フランス語・セーシェル・クレオール語

スーダンは2019年の体制移行以降も英語の公的位置づけは継続している。一方、内戦状況下では運用実態が地域ごとに大きく異なる点には注意が必要だ。

「公用語」ではないが英語が通じやすい国

リスト整理の落とし穴は、公用語ではないが実務で英語が広く使われる国を見落とすことである。代表例として以下が挙げられる。

  • エチオピア:公用語はアムハラ語、オロモ語、ティグリニャ語、ソマリ語、アファル語の5言語(2020年憲法改正)。英語は中等教育以降の指導言語で、アディスアベバなど都市部のビジネス・教育エリートには広く通じる。一方、地方や年配層では通用度が大きく下がる。
  • エリトリア:明示的な公用語規定は存在しないが、ティグリニャ語、アラビア語、英語が事実上の運用言語となっている。中等教育以降の指導言語が英語である点はエチオピアと共通する。
  • ジブチ:フランス語とアラビア語が主だが、紅海・スエズ運河ルートの戦略拠点として米軍・国際機関の関係者が多く、近年は英語教育の比重が上がっている。

「アフリカ 英語 通じる」「エチオピア 英語 通じる」といった検索は、まさにこの層への需要を反映している。公用語ではないからといって「英語は通じない」と即断するのは早い。

国別・実際の通用度

公用語の整理だけでは旅行・出張の準備としては不十分なので、地域分布だけでなく実務的な通用度も補足する。

  • 南アフリカ:ヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバンといった主要都市では英語が事実上の共通語。タウンシップや農村部では各民族語の比重が増す
  • ナイジェリア:ラゴス、アブジャの商業・行政ではビジネス英語が標準。一方、市場や日常会話ではピジン英語が主流で、初見の旅行者には聞き取りが難しい
  • ケニア:ナイロビ、モンバサ、ナクルなど都市部では英語とスワヒリ語が併用される。観光業ではほぼ確実に英語で通じる
  • ガーナ:アクラ、クマシなどでは英語通用度が非常に高い。教育、行政、メディアもほぼすべて英語
  • ルワンダ:キガリ、ブタレでの英語通用度は2010年代以降に飛躍的に向上した。若年層は学校教育で英語に触れている
  • タンザニア:ダルエスサラーム、アルーシャでも、ザンジバルでも、日常はスワヒリ語が圧倒的。ビジネスや観光業の窓口では英語で対応可能
  • エチオピア:アディスアベバ中心部のホテル・大学・国際機関では問題ないが、ローカルバスや地方都市では現地語が必要となる場面が多い

ビジネス・国際協力で押さえる3つの留意点

公用語のリストだけで現地戦略を組むのは危険である。以下の3点を押さえておきたい。

  1. 「公用語」と「通用度」は別物:公用語に英語があっても、現地の小売・物流・行政手続の現場では現地語通訳が不可欠な国が大半である
  2. ピジン・クレオールの存在:西アフリカのピジン英語、モーリシャスやセーシェルのクレオール語は、書面の英語と相当異なる音韻・語彙を持つ。現地スタッフの英語力評価はTOEIC等で代替できないケースが多い
  3. 通訳・翻訳予算の見積り:JICA、JETROのアフリカ実務レポートでも、現地ローカル言語通訳のコスト・調達難易度は事業計画の主要リスクとして扱われている

英語公用語であることは、現地での意思疎通の出発点ではあるが、ゴールではない。検討中の国・地域について、都市部か地方か、誰と何をどの粒度で話すのかを切り分けたうえで、現地語人材の手当を計画に組み込んでほしい。

なお、本記事は2026年5月時点の公開情報に基づく整理である。アフリカの公用語規定は近年も頻繁な改正が続いており、最新の状況は外務省の国別基礎データ、JETROおよびJICAの現地レポートなどで都度確認することを推奨する。

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KI Strategy 編集部所属。ESG・サステナビリティを軸に、開示と意思決定を貫くロジックを編む。

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