SIAの今井です。
2017年9月16日(土)午前9時~17日(日)に国境なき医師団日本事務局にて、人道援助における「外科治療」のためのハッカソンが開催され、途上国の医療現場の課題抽出と、革新的な解決策やソリューションの探求が実施されました。
日程の関係上、どうしても初日しか参加できなかったのですが、実際に途上国の医療の最前線で活動する方が数多く参加されるイベントは稀有で、記録に残しておこうと思います。
国境なき医師団とは
改めて紹介不要かとも思いますが、国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、 中立・独立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。
設立は1971年で、日本事務局が発足したのは、1992年です。1999年にノーベル平和賞をMSFが受賞したことも、一般的に知名度が広く知れ渡る契機となりました。
主な活動拠点を途上国におき、紛争や自然災害の被害者や、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたっており、収益の9割近くを月額サポーターによって支えられているというビジネスモデルを構築しています。
途上国の医療現場の課題とは?
途上国の医療現場では、様々な課題があり、例えば、「暗闇で手術する際の明かり」や、「手術に利用する刃物の切れ味」、「骨に効率よく穴を開けるための機器」、「医者の活動領域を増やすための教育」、「感染症の管理」などなど多岐に渡ります。
特に印象的なのは、同じ課題に対して、その見方が、同じ国境なき医師団の方の中でも捉え方が全く違うという点。ここは、医療などの自然科学領域でも同じというのは印象的です。
ハッカソンということもあり、医療現場のハードウェアやソフトウェアにスポットライトがあてられていました。途上国ということで、リソースやできることなどが限られているのは理解できるのですが、根本的には、業務フローであったり、サプライチェーン、現場の人材開発やノウハウ共有など、一般の民間企業が実施しているいわゆる経営管理の領域の改善余地も大きいのではないかと個人的には感じるものでした。
特に医師間のノウハウやナレッジの共有の部分は、今回のお題ではないのですが、もっと出来ることがあるかもしれません。
また、メンターとしては、米国と日本のバイオデザインのプログラムディレクターや、東京大学医療イノベーションイニシアティブ特任助教、MSFスウェーデン・イノベーションユニットアドバイザー兼ケースマネージャーなど多様な方が参加されていました。
ハッカソンは今回第一回ということで、今後継続的に開催されるかもしれません。
関心をお持ちの方は、是非、MSFのホームページなど定期的にチェックされてみてはいかがでしょうか?
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